夏草の中で (1985年作品)

 

所沢中心部に100万平方メートルもの米軍通信基地がある。
それがB52爆撃機に核攻撃を発信する基地だと明らかになった
のが82年1月。
核廃絶と基地撤去を求める非核宣言都市の請願を採択させた
のが83年9月であった。
今なお市のどまん中に居すわりつづける基地への怒りを歌った。
(加藤雅友ファイナルコンサート プログラムより)

作 詞:加 藤 雅 友
作 曲:加 藤 雅 友
編 曲:金 井   信
指 揮:中 村 由紀男
ピアノ:金 井   信
合 唱:合唱団ききゅう



夏草は果てなく繁り 町並みは遠く霞む
白い蝶が飛んでいても それを追う子どもはいない
ここは基地 街の中の誰も入れぬ異国の地
そびえ立つアンテナは絶えず B52へと伝え続ける
  核ミサイル発射のその時を
  地球を炎に包むその時を

今日もまた夕陽は落ちて 窓ごとに灯り燈る
夜のとばり静かに降りて 子どもらの夢を包む
ここは基地 核戦争の空覆う電波の手
闇深く眠る街に もう暁は来ないかも知れない
  灼熱の閃光がこの街の
  いつもの朝を奪ってしまう時

夏の風 野面を渡り 雲の峰空に高く
にわか雨 大地を叩き 子どもらの頬を濡らす
ここは基地 鉄条網が平和を拒み続ける
子どもらが光に焼かれて 死んで行くのを許しておけるか
  この草原は全て子どもらへ
  青く大きな空と太陽も
  この草原は全て子どもらへ
  青く大きな空と太陽も

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