機関紙101号 (2014年7月29日発行)
桂 敬一(元東大教授)
7月13日投開票の滋賀県知事選で、「卒原発」の嘉田前知事路線を継承した前衆院議員(民主)の三日月候補が、僅差で自公の推す小鑓候補を退け、当選した。勝敗の分かれ目は、原発路線の相違もさることながら、選挙戦中に安倍政権が集団的自衛権行使容認路線を鮮明にし、それに賛成の立場から身動きできない小鑓候補とは対照的に、三日月候補が敢然と反対する側に回ったところに、あったようだ。
14・15日の集団的自衛権問題に関する衆参予算委員会の審議でも、質問に対して首相自身が、閣議決定が滋賀県知事選に影響した可能性がある、と答えざるを得なかった。
中央の政策問題がこのように地方選に影を落とし、その結果がまた中央の政治動向にも影響を及ぼすということは、今後ますます多くなりそうだ。
沖縄では辺野古の米軍基地拡張工事が強行され、11月には知事選がある。沖縄の負担軽減と称して、本土全体の米軍基地・演習地への危険なオスプレイの飛来が始まり、常駐化が策されだした。各地域がアメリカのための集団的自衛権の危うさを身近に感じだしている。そのことは、各地の護憲運動団体にも問題を提起するし、攻撃目標とされたら危険この上ない原発所在地にも、緊張感をもたらさないではおかない。
そうした地域の市民の運動の動向が即、中央の政策、中央政権のあり方を変えていく必然性や可能性が、大きくなりつつある。滋賀県知事選の勝利の意義を、改めてよく噛みしめたい。
私は、志位共産党委員長が15日、党創立92周年を迎えた講演会でようやく「安倍政権打倒」を呼びかけたことに、ほっとした。原発、護憲、秘密保護法、集団的自衛権、沖縄、雇用・労働制度などなど、多くの一点共闘を全部つなげていけるのは、「安倍政権打倒」だけだ。だからその一方、大きな疑問も湧いた。なぜ滋賀県知事選では自党候補擁立にこだわり、三日月候補支持に踏み切らなかったのか。もしそうしていたら、50%そこそこの投票率は60%を軽く越し、共産党は自党候補獲得の5万票より遥かに多い票を三日月候補側に積み上げる働きを示し、安倍政権に大打撃を与える役割を果たせたはずだ。「安倍政権打倒」の戦略目標を掲げる以上、戦術的にはそうした柔軟なやり方、多様な市民運動を随時、横につなげていけるような方法を編み出していくことが、どの中央政党にも求められる時代となっているのではないか。(メディア研究者)
梅田正己(書籍編集者)
この「閣議決定」の文字数を計算してみた。ざっと7300字になる。べたで組んで、新聞1面の約3分の2を占める。
「閣議決定」は全員一致が必要だというが、これを本当に「閣僚」の全員がちゃんと読んだのだろうか? 疑問が残る。というのは、まともに読んで理解できる文章ではないからだ。?、?、?の連続だからだ。
いくつか、例を挙げる。
冒頭に近く、こう書かれている。(憲法施行から67年)「安全保障環境は根本的に変容するとともに、更に変化し続け、我が国は複雑かつ重大な国家安全保障上の課題に直面している。」、「重大な国家安全保障上の課題」と言っている。言いかえれば、重大な危機的状況が発生しているということだろう。
では、どんな「重大な」事態が起こっているのか? しかし根拠は書いていない。根拠を示さず、危機だけを言い立てるのはオオカミ少年だ。
その後にも、似たような言い方が続く。
「脅威が世界のどの地域において発生しても、我が国の安全保障に直接的な影響を及ぼし得る状況になっている。」
本当か? シリアやウクライナで紛争状態が続いている。日本に影響がないとは言わない。
しかし、「我が国の安全保障」に「直接的な影響」とまで言えるのか?
これも論証ぬきの一方的なご託宣で終わっている。
そして、こう飛躍する。
「もはや、どの国も一国のみで平和を守ることはできず、国際社会もまた、我が国がその国力にふさわしい形で一層積極的な役割を果たすことを期待している。」
一国だけでは平和に生きていけないと、そう簡単に言い切れるのか?
また、日本が軍事力で「一層積極的な役割を果たすことを、いったいどこの国が期待しているというのか?
そうしたことはいっさい説明抜きで、「閣議決定」はこう結論する。
「米国との相互協力を強化するとともに、域内外のパートナーとの信頼および協力関係を深めることが重要である。」
「域内外のパートナー」とは、どこの国を指すのか? 対中国との関係で、フィリピンやベトナムをいうのか?
しかし、そうした国との軍事的協力関係を結んで、隣国の中国との関係をどうするのか? 中国との不信・対立関係を固定してしまうのか?
以上は、閣議決定の「序文」に当たるところに書かれている。「なぜ今、集団的自衛権の行使容認が必要なのか」という、その理由説明だ。
この後、「1、武力攻撃に至らない侵害への対処」「2、国際社会の平和と安定への一層の貢献」があって、最後に「3、憲法9条の下で許容される自衛の措置」となる。
集団的自衛権の問題はこの「3」にかかわる。
初めに例の1972年の政府見解が解説される。
「国民の生命や権利が根底からくつがえされるという急迫、不正の事態にさいしては、やむを得ない措置として、必要最小限度の範囲において武力の行使が許される。」という見解だ。この論理的帰結として、72年見解は「だから、集団的自衛権の行使は憲法上許されない」としていたのである。
ところが、今回の閣議決定は、72年見解の「武力行使の限度」については、「この基本的な論理は、憲法第9条の下では今後とも維持されなければならない」としながら、結論としては「集団的自衛権の行使は容認される」としたのである。
筒の上から押し込んだ赤いハンカチを、下から引っ張ると青いハンカチに変わる手品がある。では、今回の閣議決定はどんな手品を使ったのか。
仕掛けは筒の中にあった。筒とは、先に紹介した「序文」の状況説明だ。そのことを、閣議決定はこう述べる。
「しかし、冒頭で述べたように、パワーバランスの変化や技術革新の急速な進展、大量破壊兵器などの脅威等により我が国を取り巻く安全保障環境が根本的に変容し、変化し続けている状況を踏まえれば、今後他国に対して発生する武力攻撃であったとしても、その目的、規模、態様等によっては、我が国の存立を脅かすことも現実に起こり得る。」だから、その場合も、「必要最小限度の実力行使は、憲法上許容されると考えるべきである」とした。
つまり、「序文」において私が「?」を付けた状況認識を理由として、歴代内閣が禁じてきた集団的自衛権の行使を、赤から青へとひっくり返したのである。
しかもここでさらに「?」を付け加えた。「他国に対して発生する武力攻撃であったとしても」「我が国の存立を脅かすことも現実に起こり得る」とは、いったいどんな事態を想定しているのだろうか? 私にはいくら考えてもわからない。手品のタネの部分である。ぜひとも具体的に説明してもらいたいものだ。
閣議決定の文書の中には、こうも書かれている。
「政府の憲法解釈には論理的整合性と法的安定性が求められる。」では、この閣議決定に、はたして「論理的整合性」はあるのか。
私の見たところ、先に述べたように状況認識の大前提のところで「?」が続出する。判断の根拠そのものがぐらついている。立論の土台そのものが怪しいのだ。したがって、法的安定性も限りなく薄い。
この「閣議決定」を伝える記者会見で、首相は初めにこう言明した。
「抽象的・観念的議論ではない。現実に起こり得る事態に、現行憲法の下で何をなすべきかという議論だ。」
その通り、説明抜きの抽象的・観念的な断定だけでは議論にならない。「現実に起こり得る事態」を想定して、具体的に語ってもらいたい。
今回の閣議決定には、現実的・具体的な説明がまるで欠落している。これで国民を納得させようというのはとんでもない話だ。
この後の段取りとして、政府は自衛隊法や周辺事態法初め関係する国内法の整備にかかる。その法案を国会に提出してから、審議に入ってもらうというのが政府の心積もりだろう。
しかし、そんな法案を待つ必要はない。すでに法案作成の「前提」となる疑問符だらけの閣議決定が、目の前に差し出されているのだ。
集団的自衛権の行使を容認出来ない政党、政治家は、この閣議決定ついて、国民の目の前で大議論を起こしてもらいたい。
メディアももちろん、その場を提供し、かつ牽引していってもらいたい。それらに励まされ、あるいは後押しして、市民運動もウイングを広げていく。
「非戦を選ぶ演劇人の会」ピースリーディングVOL17は「あなたは戦争が始まるのを待っているのですか?」をテーマに、7月15日、16日、新宿南口・全労済ホール/スペースセロで開かれた。15日の集いに参加した。
この会は2003年のイラク戦争を機に「対話によって成立する演劇は、武力攻撃による外交手段に反対します。人間を中心に据えた演劇は、人権を軽視する法案に反対します。演劇は戦争に反対します」という呼びかけ文から活動が開始された。
今回の舞台は、この10年間に起こされてきた世界や日本の状況を検証するものだった。ドラマもコンセプトもなく、ただ、事実のみを並べていくという構成。イラク攻撃、有事法制反対の運動などから、沖縄の実態、2011・3・11東日本大震災、2014年ウクライナの状況までが網羅されていく。端的に要点が叙述されていくと思考が深まっていく。井上ひさしの憲法論が普遍的な重みをもって迫ってくる。多くの劇作家たちがまとめたものだ。
鈴木瑞穂、津嘉山正種、高橋長英、木場勝己、市毛良枝、円城寺あや、根岸季衣、野々村のん、立石涼子など30人の俳優たちが、それぞれの立ち位置で読みつづけていく姿は毅然としていた。
トークセッションに予定していたパレスチナを代表する人権活動家で弁護士のラジ・スラー二さんが、イスラエルによるガザ攻撃のため来日できず映像でのインタビューになった。「日本にいちばん必要でないのが、平和でなく戦争に貢献するということ」という、その内容は説得力を持ち、貴重な話だった。
私は「NHKスペシャル」や「クローズアップ現代」という番組に長く身を置いていました。「クローズアップ現代」は今も続いていて、放送回数が3500を超えたと思います。国谷弘子さんが番組のキャスターをしていて、彼女はNHKの職員ではありません。契約のキャスターなのです。いまのNHKのひどい状況に、とても心を痛めています。その「クローズアップ現代」でも、特定秘密保護法の問題点について、ついぞ一回も伝えることはありませんでした。
秘密法が強行採決されたのが12月で、あれから半年になります。可決されてから、一年以内に施行されるというのがルールですから、あと半年たつと秘密保護法が実際、運用されるということになります。
そのチェック機関の有り様を巡っては、座長は読売新聞の主筆の渡邊恒雄さんです。88歳になられたそうです。とにかく、ひどいことだと思います。今日の朝日新聞を読みましたら、「首相の一日の動静」に渡邊恒雄さんと昨日はご飯を食べていました。ご飯を食べることは仲良しだから食べるわけではないと思います。何らかの相談があるからでしょう。おたがいすり合わせて、こうしょうねと話し合うために、ご飯を食べているわけです、友達だからということではないと思います。
安倍さんになって特に目立って悪いことは、メディアの関係者のトップがとにかく、やたら一緒にご飯を食べることです。メディアと権力の癒着ということ以外、なにものでもありません。
中でもにひどいのはNHKとの関係。
二つ目のことを申し上げます。去年の秋以降の動きです。NHKと安倍政権との関係、NHKの最高決定機関は経営委員会というところです。経営委員会がNHKの事業計画とか番組の基本方針とかを決定します。この経営員会のメンバー、経営委員は内閣で人選し、国会によって承認するという仕組みになっています。去年の秋で言えば、安倍内閣がNHKの経営委員を「こういう人にしたい」ということで提案をして、それが国会で承認されて新しい経営委員が送り込まれるということになりました。再任の人も合めて5人の安倍さんのお友達が送り込まれました。代表的な方は話題になっている作家の百田尚樹さん。それから埼玉大名誉教授で哲学者の長谷川三千子さん、この方の祖母は作家の野上弥生子さんです。野上弥生子さんはとても立派な方でした。この方のお孫さんに長谷川三千子さんが生まれたことに野上さんもびっくりしていると思います。野村秋介という人が朝日新聞社に乱入して社長室で拳銃自殺をします。以前、朝日新聞阪神支局で小尻さんが赤報隊に殺された事件を思い起こします。報道機関に対して、暴力をふるって萎縮させることをやったわけですが、この傷はとっても深いことだと思います。この野村秋介氏の行動について長谷川三千子さんは、「素晴らしいことだ」と礼賛したわけです。NHKというのは、報道、文化を伝える機関としてあるのですが、その最高経営決定機関のメンバーが、暴力によって、報道機関を威嚇することを礼賛することは断じてあってはならないことです。こういうことを公言されたのが長谷川さんです。あと、安倍さんの家庭教師をされていた方とか、安倍さんと極めて親密なJR東海の葛西さんに近い、息のかかった方とか、5人が送り込まれました。
NHKの経営委員は全部で12人います。この中で人事案件などについては3人以上の異論があった場合は採択されないことになっています。5人のお友達が送り込まれたということですから、簡単に言えば、安倍さんの意にそぐわない人事は流れてしまう体制に変わりました。
案の定、今年の1月25日ですが、新しいNHKの会長が選ばれて、その日からスタートになりました。やってきたのは三井物産の副社長や日本ユニシスの社長をやられた籾井勝人さん、商社マンで経験の長い人です。この人が1月25日(土)に就任の記者会見を行います。ここでどれほどひどいことをしゃべったかは、みなさんのご記憶にあると思います。
秘密法について言えば、あれほど国民が異論を表現したのにかかわらず、「通っちゃったものは仕方がない」というふうに言いました。靖国神社参拝についても、「それは参拝されたということで、それ以上でも、それ以下でもない」とおっしゃり、国際放送については「政府が右というものを左というわけにはいかない」と言いました。それから、日本軍の慰安婦制度について、「戦争があれば、どこの国でもやっていたことだ」と言いました。で、オランダの飾り窓は、あれはどうゆうことでああゆうことになっているかを、知っていますかというふうに、むしろ、そのことを擁護するような形でお話になったわけです。
「政府が右というものを左というわけにはいかない」、「秘密法は通っちゃったので仕方のないことだ」について言えば、明らかに政府の報道をチェックするのが報道機関なのですから、基本的な職務を放棄します、と言っていることに等しいと思います。慰安婦問題についての彼の放言については、記者の方の質問はたぶん2001年の番組改変事件が念頭にあったということだと思います。つまり、あの時の番組改変について、会長はそうゆうふうに考えていますか、その宿題を会長は果たす覚悟がありますかとのニュァンスで実は聞いているのですが、責任を果たすどころか、とてもひどい発言だと思います。これについては、のちほど丁寧にお話します。
安倍さんの意を受けた経営委員、安倍さんの意を受けたNHK会長ということに、NHKが今後どう変わっていくのか、とっても心配な事態です。
いま、NHKはどうなっているのかということですが、5月の末に管理職の移動がありました。サラリーマン社会ですから、年に一回人事異動があります。これによると、NHKの経営のトッブは会長、その下に理事がいます。その理事の中で一番偉いのは専務理事、放送総局長というのもあります。NHKはニュースや番組を出すところですから、ニュースと番組の総責任者が総局長です。
これが、まったく見識という面では、お粗末極まる経済部記者の板野さんがなってしまいました。なんでなったかと言うと、1月の会長就任会見をきっかけに国会にも連日のように呼ばれて、籾井さんへの批判が轟々と沸き上がって、大変なことになるのですが、その時に籾井さんを守ろうとした、ただ一人の理事でした。ウイやつ(愛い奴)です。そんな人が専務理事のトップになりました。理事は10人いるのですが、ウイやつの理事は会長に近い21階に集められて、そうじゃない理事は20階に下げられる、漫画みたいなことが起きてしまいました。
一つ申し上げたいのですが、NHKの番組やニュースはものすごくたくさんありまして、毎日毎日、新しく作られていきます。ある意味で町工場のようなものと思ってください。大量生産は効かない、それぞれ人間が原稿を書き、人間が編集をし、アナウンサーやキャスターが出てきてそれを伝える、ハイテクのように見えますが、ローテクで支えられているのが、番組やニュースです。この担い手の人たちが、みんな変なのかというと、身びいきかもしれませんが、変な人がいるかもしれませんけれど、きちっとトレーニングを積んで、まともな原稿が書けて、まともな番組が作れる人たちが、ほとんどです。
会長もひどい、総局長もひどい、つまり1番、2番、3番がひどいが、その下はそれほどでもないなかで、日常の番組、ニュースが日々作られています。みなさんのご覧いただいているものが流れているのが実態です。現場が腐り果てているということではありません。(次号に続く)
山崎晶春(本会世話人・元小学館)
色川大吉著「日本の歴史」21巻『近代国家の出発』中公文庫より。
自由民権運動は明治維新の課題をひきついだもので民選議員(国会)の設立を要求した1874(明治7)年から、国会が開かれた1890(明治23)年ごろまで続行された。この運動は国民の自由権のうちの参政権(政治的自由)を求める「国会の開設」に最大の焦点があったが、それと共に国民大多数の農民の要求である「地租の軽減」と「条約改正」の実現も重要な目標とされていた。
明治と年が改まり、一般農民に直接もっとも大きな影響を与えたものは、「地相改正」を頂点とする一連の経済改革であった。
「数百年間続いた物納年貢などの封建的な諸貢租を、いっきょに全国一律の金納地税に切り変えるという思い切った改革であった。このために土地を持つ農民はその私有権を認められ、耕作の自由と土地売買の自由を獲得した。しかし、その基礎をなす地価の決定方法や地租条例の実施過程において、農民は明治政府が何を意図してこの改革を推し進めようとしているかを知りはじめた。明治初年の農民一揆は、こうして地租反対闘争の形をとって空前の規模に達した。」
この段階にいたって、農村における真の対立は、明治国家と全農村との間にあるという真実があらわれはじめた。かつて幕末期に世直し型一揆の攻撃対象にされてきた名主(戸長)・豪農層が、今度は歴史の試練をくぐりぬけた新しい指導者として、ふたたび一般農民の陣列にかえってきた。
今日の時代は「敗戦」によって得た憲法の下での運動である。憲法第九九条に【憲法尊重擁護の義務】で天皇及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負うとある。
政府が特定秘密保護法を強引に推進した背景には、2007年に日本と米国の間で締結した軍事情報包括保護協定がある。米国は60カ国以上と同協定を結んでいる。この協定によって、軍事情報の保護のレベルを米国並みに厳しくすることが求められる。
●「九条の会」連絡会で検討することですが「特定秘密保護法廃止」「安倍政権を打倒し、平和憲法を高く掲げよう」という主旨の若々しい魅力的なキャッチフレーズのポスターを何本か作り、それを自分の意志表示としてまず自宅の玄関に張り、広げる運動ができないでしょうか。一人ひとりの運動として。
「世界」1月号(2014年)に原寿雄氏(元共同通信編集主幹)の論文「安倍政権にジャーナリズムはどう対峙すべきか」が掲載された。実にレベルの高い優れた論文である。
この中で安倍政権の本質を鋭い視点で見抜き、安倍政権に連なる勢力を「反革命」という表現で糾弾している。彼らは平和憲法を抹殺するテロの政治集団で、平和憲法を大切にしている私たちにとっては打倒の対象ではないかと述べておられる。
「私は日本の状況、特にジャーナリズムの状況を考える際に、いままで、『満州事変の直前ぐらいまで、もう日本も来たのではないか』ということをよく言ってきた。戦前、マスメディアの中では、最後まで軍部への協力に批判的だった朝日新聞が、1931(昭6)年9月18日に起きた満州事変を機会に転向していった。国益のためには軍部に反対できないというのが、その理由だと言われている。それ以前には毎日新聞も読売新聞もすでに軍部に協力して、翼賛政治を事実上推進してきた。こうした戦前のジャーナリズムの体制は、現在、かなり近づいてきているのではないか。」
・マスコミ人の戦争責任の追及の不足、企業内ジャーナリストの罪と罰、その克服への道を考える。
・ポツダム宣言を受諾することで、国民主権、民主主義を守る国として、戦後再スタートを果たした日本。その日本の歴史を大転換させようとする安倍政権の「反革命」を阻止できるのか。ジャーナリズムの役割が厳しく問われている。
「世界」2013年9月号「歴史を正しく語り継ぎより確かな未来につなげていくこと」---村山談話が発信したもの---(谷野作太郎〕元駐インド・中国大使・1995年アジア局長、内閣官房内閣外政審議室長」へのインタビュー)。《村山談話の案文は私がたたき台を作り村山首相、五十嵐広三官房長官、自民党の河野洋平総裁(外相)、さきがけの武村正義代表(蔵相)らの精査を受けた。閣議では誰からも異議が出なかった。あの談話は「戦後50周年にあたっての日本国総理大臣談話」というべきものだ。
閣僚への根回しの中で思い出すのは、通産大臣橋本龍太郎(日本遺族会会長)の発言だ。案文の中に「敗戦」と「終戦」の表現が混在していたのを、すべて「敗戦」に統一してはどうかといわれた。橋本大臣が私に「日本は、例の対華21箇条(1915年)の頃から、中国との関係で道を間違えた。日中戦争、あの戦争は無謀な戦争だった。遺族会の大多数はそう思っている。だから『敗戦』で一向かまわない。その方が潔い」とおっしゃった。(谷野インタビューの要約)
歴史の歪曲は日本人の誇りを傷つける「歴史の歪曲は百害あって一利なきものと思う。それは日中友好関係を最も深いところで傷つける。それはまた、日本人の誇りをも傷つけるだろう。日本人の誇りは、過去の誤りを誤魔化して言い繕うことにあるのではなく、みずからそれを直視し、批判してたじろがない勇気にこそある。」と加藤周一は述べておられる。この言葉を私たちはしっかり受け止めたいと思います。(参考資料と文献の一覧は次号に掲載します)
北海道航空協会は10日、札幌市内で20日に開催された航空イベント「札幌航空ページェント」に米海兵隊普天間基地所属の垂直離着機MV22オスプレイ2機を地上展示した。同機は米海兵隊岩国基地に飛来して訓練を繰り返してきたが、東日本への飛来は初めて。オスプレイの訓練拠点を全国に拡散するのが狙いだ。
また、東京都は10日、オスプレイが給油のため、米空軍横田基地に19日に飛来すると発表した。同日中に札幌に向けて離陸し、埼玉県の日高上空の飛行が確認された。加えて防衛省はオスプレイ1機が15日に、「人員輸送」のために米海軍厚木基地に立ち寄り、米海兵隊キャンプ富士に飛来、18日まで滞在した。
日米両政府は沖縄の負担軽減を理由に、全国各地でオスプレイの訓練を実施することで合意しているが、横田基地騒音訴訟の原告団は、「台風は口実で、横田へのオスプレイ配備強行の地ならしだ」と警戒を強めている。
訓練が一時計画された群馬県の相馬原演習場を抱える榛東村は6月、沖縄の負担軽減を理由に訓練実施と自衛隊のオスプレイ配備の受け入れを表明したが、普天間に24機が配備されている実態は変わらず、負担軽減にはつながらない。安全性が疑問視される機体が全国各地を飛び回れば、騒音被害と墜落の不安は拡散されることになる。オスブレイが横田に飛来すれば、埼玉県西部の空(所沢市市上空)を飛行することになり、断固反対だ。
県平和委員会では、「オスプレイ来るな!」の声明を出すとともに、飛来した場合には、どこをどの方向で飛ぶのか見極めるため、全県いっせいに「空のウオッチング」を呼びかけている。
日 時:8月18日(月)14:00〜
会 場:所沢市民文化センター マーキーホール
前売り:1000円、小中高生(無料招待券あり)
主 催:所沢上映実行委員会(04−2992−9927)
日 時:9月21日(日)2時上映
会 場:入間市産業文化センター
前売り:900円
主 催:いるま・9条の会 チケット藤掛(04−2963−6155)まで