機関紙145号 (2018年8月4日発行)
北村 肇(「週刊金曜日」発行人)
ジャーナリストの端くれとして40年以上、文章で身を立ててきましたが、今度ばかりは怒りでなかなか言葉が浮かんできませんでした。「平成最悪の豪雨被害」といわれる西日本集中豪雨は、安倍政権の本質を白日の下にさらしました。安倍晋三首相は何かにつけて「日本を守る」「国民の命を守る」と豪語しますが、そんな気はさらさらなく、市民の命をあまりに軽くみていたことが誰の目にも明らかになったのです。許せません。
にもかかわらず、永田町では依然として「安倍首相の自民党総裁3選は揺るがない」とささやかれています。しかも、安倍首相は年内の改憲発議に意欲を示しています。なぜこんな非常識がまかり通るのか。マスメディアの責任が大きいと言わざるをえません。
7月5日以降の動きを『東京新聞』の報道をもとに振り返ってみます。
【5日】近畿を中心に11府県で16万人超に避難指示・勧告が出される。気象庁は午後2時、異例の臨時記者会見で「記録的な大雨のおそれ」と表明。20時過ぎ、自民党内の宴会「赤坂自民亭」に安倍首相が参加。小野寺防衛相、上川法相、西村官房副長官、自民党の岸田政調会長、竹下総務会長らも出席。あまりに危機感のない、西村氏の「いいなあ自民党」というツイートを多くの市民が批判。後日、「オウム真理教教祖ら7人の死刑」を翌日に控えた上川法相のはしゃぎぶりも話題に。
【6日】死者3人、不明者14人の情報。
【7日】官邸で関係閣僚会議開催。死者51人、不明者約50人。
【8日】ようやく非常災害対策本部を設置。安倍首相は「救命救助、避難は時間との闘い」。
【9日】安倍首相、11日からの外遊中止を決定。
【11日】西村氏がBS11番組収録でツイッター投稿について釈明。宴会の是非には触れず。
書いているうちに全身が憤りで震えてきます。北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)のミサイル実験の際には、Jアラートだの、早朝の緊急記者会見だのと大騒ぎをしたのに、今回の災害対応は明らかに後手後手でありお粗末です。麻生太郎副総理がいみじくも漏らしたように、「北朝鮮ミサイル問題」は自民党支持を増やすためのものであり、つくられた危機だったことが浮き彫りになりました。
しかも、政治部記者によれば「フランス訪問をしたい安倍首相は、自分が本部長になる災害対策本部の設置を渋った」といいます。実際、8日まで本部はできませんでした。本来なら考えられません。もし安倍首相の「わがまま」が事実なら言語道断です。パリで行われた革命記念日のイベントには自衛隊が参加しました。それ自体問題ですが、安倍首相は「軍の最高責任者」として臨席したかったのではないかとの疑いがぬぐいきれません。
「赤坂自民亭」にいたっては、愕然どころか慄然とします。緊張感がないといった類いのことではありません。市民の命やくらしをなんと思っているのでしょう。この宴会に安倍首相は初めて参加したようですが、総裁選をにらんでのことに間違いないと思われます。これを私利私欲といわずに何と表現できるのか。かりにも一国のリーダーなら、関係者をたしなめ、取りやめさせるのが常識というものです。
ちなみに上川法相が麻原彰晃氏ら7人の死刑執行を了承したのは、宴会2日前の7月3日。いわずもがなですが、いまだに死刑制度を温存している日本は海外から奇異な目で見られています。しかも7人同時という暴挙に批判が起きたのは当然です。このような法相が司法の頂点にいるのもまた安倍政権の実相を露わにしています。
さらに許せないのは、災害対策そっちのけでカジノ法案や参議院の選挙制度改革を強行突破したことです。どちらも、さまざまな世論調査で市民の反対の根強いことがはっきりしています。有権者をばかにするにもほどがあります。ここまで私利私欲、党利党略の政権が過去にあったでしょうか。ところが、安倍政権は倒れることなく続いているのです。
こうした異様な事態を前にして想像してみます。かりに新聞やテレビが徹底的に政府の「棄民政策」を批判したらどうなっていただろうかと。おそらく政権はもたなかったはずです。いまのマスメディアの状況は、もはや忖度のレベルではありません。多くの新聞・テレビは安倍政権の共犯者です。
7月2日午後6時20分ごろ、米軍の輸送機CV22オスプレイ1機が爆音をとどろかせながら、所沢に飛来し、米軍所沢通信基地に離着陸をしたと所沢市が発表した。米軍から事前説明はなかったという。同機はすぐに離陸し、米軍横田基地方向に飛んでいくのを多くの市民が目撃をした。7月11日にも基地上空に飛来した。その後も基地上空を飛行しているのを目撃されている。4月2日に、突然「CV22オスプレイ」が横須賀に陸揚げされ、横田基地に入った時、所沢平和委員会も、基地周辺の安全を考える実行委員会(略称5市連・所沢・狭山・入間・飯能・日高)と協議し、「オスプレイは来るな!緊急アクション」抗議行動を直ちに起こし、16日、所沢東口に200人が抗議の声を挙げた。同時に所沢市長あてに「オスプレイの横田基地配備反対と所沢通信基地には絶対立ち寄らせない」ことを厳重に申し入れたばかりだ。所沢平和委員会が翌日、市役所基地対策室に懇談を申入れどういうことなんだ≠ニ詰め寄ったが、対策室担当者自身も、オスプレイを目撃していて、まったく「寝耳に水!」と驚き、これから北関東防衛局へ行って「事実確認と、どのように対応したか」を聞き、その上で所沢市として対応するとのことだった。
CV22オスプレイは特殊作戦機なので「いつ来るのか、いつ飛ぶのか、どこで何をしているのかは秘密。無通告は当たり前」などと、戦時体制化でもない日本において絶対許せる事ではありません。問答無用の米軍に「物申せない」政府はいらない、即刻退陣させるしかない。
藤本正人所沢市長も11日の飛来について強い抗議の意を表し次のような質問状を北関東防衛局に提出し、回答を求めている。
1 平成30年7月11日午後6時05分頃、所沢通信施設にオスプレイが飛来した目的とその所属部隊は如何に。
2 オスプレイが今後も所沢通信施設に飛来することはあるのか。
3 所沢通信施設周辺は人口密集地域であり、8つの小中学校・高校と防衛医大病院などが在します。そのため、人口密集地域及び学校や病院などの上空を避けるとした、2012年9月の日米合同委員会合意事項を米軍は遵守し、最大限の安全対策と騒音問題に対する地元への配慮をお願いしたい。
原田みき子(沖縄県本部町在住)
県民は真夏の太陽を撥ねつけるほど、怒りに燃えている。キャンプシュワブゲート前だけでも3ヵ所で、さらに2ヵ所の採石場、私の住む本部町塩川港で激しい抵抗を続けている。これに対し国は7月14日深夜に座り込みスペースに水の入ったポリタンクを並べた。2014年7月にも午前2時半過ぎから工事車両を入れている。県庁に段ボールで書類を届けたのも夜明けだった。国はいつも夜中にやる。夜陰に乗じてやるのは、やはり後ろめたいからか。
ポリタンクのせいで座り込む場所は幅1メートル足らず。身体をななめにしないと座れない。機動隊員も排除しにくいのか、言動が荒っぽくなって「痛い!」と訴えると、さらに力を入れて私を引っ張り出そうとする。両腕や手首のアザは増える一方だ。
国は8月17日に埋立て土砂を搬入すると宣告してきた。当初、大浦湾側から埋立てる計画は、海底がマヨネーズ状態のため頓挫した。浅い辺野古側から護岸工事を始め、まもなく終わりそうである。護岸が終われば辺野古側の本格的埋立てが始まる。大成建設、大林組を筆頭に契約した会社は12社。戦争のための基地を造ることに何の痛痒も感じないのだろうか。
国が大浦湾側を後回しにしてやりやすい辺野古側から工事をすすめるのは、県民のあきらめ感を醸成したいからだろう。高江ヘリパッドのときも、完成前に政府高官が来沖して盛大な完成式典をやった。その後、大型ヘリが高江の牧草地に墜落して炎上した。反対した高江区民は「やっぱり‥」と悔しがったが時すでに遅し、そして、何といまだにヘリパッド工事を続けているのだ。完成していないのは明らかだ。このように平気で嘘をつく国と対峙していると、この国は大丈夫なんだろうか‥と心配になる。安倍政権の支持率が下がらないのはなぜか。外国へ出て行っては存在感をアピールしているが、こんな手法に目くらましを食わされている国民が情けない。
今日(7月19日)はこれから県庁に行って副知事に会う。10人まで室へ入れるそうで、運よく選ばれた。環境、法律の専門家たちが、病気の知事の代理を務める副知事に要請し、今日の会談が決まった。私はあらゆる違法行為を続けながら工事をすすめる国に対して、法的なことは専門家にお任せし、ひとりの県民として次の点を国に請求するよう副知事にお願いしたい。「すべての原状回復を求めること。工事のせいで消えたジュゴンを返してもらうほか、危険度の高い普天間基地は閉鎖すること」
丸山 重威(ジャーナリスト)
すべてはここから始まっている。 昨年2月26日、衆院予算委の安倍首相の答弁。「私や妻がこの認可あるいは国有地払い下げに、一切関わっていないということは明確にさせていただきたい。もし関わっていたのであれば、これはもう私は総理大臣をやめる。それははっきりと申し上げたい」。
実は、財務省では、それをきっかけに、辻褄合わせのための文書の大がかりな改竄や隠蔽が始まった。首相は、逃げられなくなって今年5月、「贈収賄はないと言ったのだ」と答弁を「改竄」したが、決裁文書改竄は、公表されただけで15件、約300カ所、廃棄したはずの文書は、決裁文書が3000ページ、交渉記録が900ページ出てきている。
一方で加計学園だが、首相の「学生時代からの親友で、おごったりおごられたりする関係」の加計孝太郎氏は、自分の特区への獣医学部新設について、首相には一切話をしなかったのだそうだ。首相は「計画を知ったのは17年1月20日」と答弁(17年7月24日衆院予算委)した。だが、加計学園は愛媛県に「加計理事長は2015年2月25日に首相と面談、首相は『獣医大学の考えはいいね』と発言した」と報告していたことが、愛媛県文書で明らかに。首相の否定に「面談の話は学園人事務局長の作り話」という説明になった。
「裁量労働の方が長労働時間にならない」というウソのデータを作ったのは、国会をごまかして、労働法改悪を図るためだった。裁量労働は一旦引っ込めたが、政府・与党は「高度プロフェショナル制度」と称する「残業代ゼロ法」を強行。「働き方改革」と国民の目をごまかし、過労死で亡くなった遺族たちには会うこともしないままだった。
参院合区を止めるための改憲が、当面、来年の参院選に間に合わなくなってきた状況で、自民党は、一票の格差減と、合区で選挙区候補から外れた候補のため、比例代表に拘束名簿枠の「特定枠」を導入する参院選挙制度を考えた。理念も何もない自民党の「党利」で、反対を押し切っての強行採決。本来の制度全体が壊されるとんでもない制度だが、これもあっさり押し切った。日経新聞7月19日、「野党が声をそろえて『露骨な党利党略だ』『人口減時代の定数増は国民に理解されない』と批判するのは当然」と書いた。
西日本の大水害でその対策が急がれる中で、政府、与党はカジノ法案も強行した。なぜ安倍政権がこんなにカジノ法に固執したのか。ナゾを解いたのは、7月6日付東京新聞。「カジノ法案トランプ氏の影 首脳会談前運営業者と首相会食」と一面トップで報じた。何と、昨年2月、トランプ新大統領を訪問した首相が「カジノ王」と会っていたという。昼に大統領との会談を控えた昨年2月10日朝、金融や軍事企業代表と共にホテル経営者で「ラスベガス・サンズ」の会長シェルドン・アデルソン氏と会い、「IR整備推進法」が施行された、とアピールした。狙われているのは、日本人のカネ。災害対策の官庁でカジノを所管するのは、公明党の石井啓一国交相。どう考えているのだろうか。
「政治の乱れは社会の乱れ」といわれる。辻褄さえ合えば、どんな無理も通り、道理は引っ込む。何を言っても「のれんに腕押し」を決め込む政権の下で、人心は倦み、人々の「あきらめ感」と「いらいら」が高じてくる。荒れた、乱雑な社会を、落ち着いた社会に変えるには、どうしても「政治の立て直し」が必要だ。 (元共同通信)
鈴木太郎(詩人・演劇ライター 中新井在住)
「松元ヒロ ソロライブin所沢」は8月30日午後1時半から、所沢ミューズで開かれる。お笑い芸人として大活躍の松元ヒロのライブが所沢で見られるのはフアンのひとりとしてありがたいことである。
そんな松元ヒロさんから、暑中見舞が届いた。驚いたことに「私は7月20日から8月2日までピースボードに乗ってコスタリカ等の中年米に行きます」と記されているではないか。超多忙ななかでよくぞ思い切ったことができたと思った。新しいネタをがいっぱい仕込み、ますます面白くなるはずだ。期待がふくらむ。
これまでのライブでも、得意の時事ネタで、時の政権や大臣などを風刺し、会場を爆笑の渦に巻き込んできた。とりわけ、麻生太郎財務大臣の物まねは秀逸であり、最後のオチの「あ、そう」を見事に決める。その段取りに拍手喝采である。
個人的にいちばん印象深く、お気に入りは、日本の国歌といわれている「君が代」を、なんとアメリカの国歌「星条旗」の曲に合わせて歌ったものだ。あの陰気くさい「君が代」が、なんとも勇ましく躍動感に溢れる歌に変わったのだ。このような芸当を思いつく意欲的な精神性に、よくぞやってくれた、と思ったものだ。
さらに、必見は「憲法くん」である。「日本国憲法」を人間に見立てたひとり芝居である。20年間、演じ続けているが、その迫力と情熱のほとばしりに、毎回感動させられる。「憲法くん」がドキュメント映画としても8月に公開されることを知った。なお、「松元ヒロ『ひとり立ち』in新宿・紀伊国屋ホール」は9月26日〜29日である。
鎗田 英三(駿河台大学名誉教授)
トランプが中国などに「制裁」関税を課し、それに「報復」関税で対抗する「貿易戦争」が熾烈になっている。このままでいくと、保護主義に世界全体が包まれていくのは間違いない。
だが、マスコミなどでは、世界経済の先行き不透明さは語られるものの、その先にどんな政治的・社会的状況が待ち受けているのかがまったく論じられていない。いまこそ、米国の保護主義が、世界恐慌→ヒトラーの台頭→侵略戦争を引き起こした、第二次世界大戦の悲惨な歴史を振り返る必要があろう。
第一次世界大戦後、米国は世界最大の工業国・農業国で、かつ金保有量40%を保有する金融帝国として、世界の覇権国となっていく。とくに、敗戦国ドイツの経済復興は、米国資金を頼みの綱とし、ドイツが米国からの借金で支払う賠償金を、英仏は米国への戦時債務返済に充てるというように、ヨーロッパ全体が米国の債務奴隷化していたのである。
「金満社会」米国では、建設、自動車、耐久消費財の消費によって、「永遠の繁栄」がもたらされた。だが、それらの消費が頭打ちになり、生産が停滞していくと、マネーが設備投資から一挙に株式市場に流れ込み、株価が2倍以上に跳ね上がるマネーゲーム(バブル経済)が現出してくる。しかし、経済の実態とかい離した青天井の株式相場は、1929年10月の「暗黒の木曜日」で大暴落し、金融機関の破産(金融恐慌)から大不況に陥り、「世界恐慌」として世界を巻きこんでいく。
そこで、大戦後、孤立主義(自国第一主義)が顕著の米国では、フーバー大統領が、翌1930年6月にいち早くスムート=ホーリー法で、33〜40%の高関税政策を断行する。高関税を批判しているものの、次のF.ローズベルト大統領も、輸出促進のため大幅なドルの切り下げで保護主義を強化していった。
とくに、米国の資金引き上げ、対米輸出の減少により、ドイツは深刻な影響を受け、社会的・政治的混乱が極みに達する。そのような状況で、将来への不安や社会秩序の安定化を求める国民の気持ちをつかんだヒトラーは、選挙で政権に就き、ファシズム支配がはじまったのである。
また、ヨーロッパ各国も、アメリカの保護主義に対抗して、「報復」関税と同時に、金本位制から離脱して管理通貨制度を導入し、自国通貨価値を切り下げていく。そのような高関税と通貨切り下げ競争による保護主義は、世界の貿易量は半分以下にし、世界経済を破綻に導く。そのような世界経済の危機打開のため、67カ国が参加し、1933年6月に開催されたロンドン国際通貨経済会議も、米国が自国優先に固執したため決裂していった。
その結果、選択肢として残されたのが、対外的には円ブロック(日本)、マルクブロック(ドイツ)のような、ブロック経済の形成であり、国内的には軍事的目的も兼ねた公共事業と軍需産業の拡大である。ヒトラーは、軍事経済化によって、1936年には失業を克服するが、そこでネックとなったのは、独自のブロックでは自給できない石油などの資源と労働力、それにより大きな販売市場である。そこで、ドイツや日本は、「生存圏」(ドイツ)・「大東亜共栄圏」を騙り、自給自足ブロックの拡大を求めて、他国への侵略を画策し、第二次世界大戦を引き起こしたのである。
いままた、トランプは、高率関税だけでなく、ドルの切り下げも言いはじめ、EPA(経済協力協定)や「一路一帯」(中国)など対抗的なブロック経済化の動きも顕著になっている。筆者は、自由貿易が弱肉強食を招き、日本の農業・畜産業などを守るためには、関税(保護主義)が必要と考える。だが、世界経済をリードすべき覇権国が、自国第一から保護主義に走ることは、世界経済・社会を崩壊させていくことになるのだ。「爆弾男」トランプとその言いなりの安倍政権を倒さない限り、そのような第二次世界大戦の悲劇の再来をストップさせるのは不可能である。
「会」は6月29日、総会と講演を新所沢公民館で開き55名が参加した。第1部の講演では、「横田基地は、いま」と題して、10年以上にわたり、横田基地の撤去を求める西多摩の会の高橋美枝子さん(元羽村市義)をお招きし、横田基地の現状をリアルに学んだ。
冒頭、開会の挨拶をした草鹿代表は、「昨日の国会は異例の強行採決をした。この国の首相が何を言っているのか、まったく分からない、そこまで民主主義は破壊されている。この状態をどうするのか、みんなの力で変えていきたい。そのことを語り合いたい」と訴えました。
講演をした高橋さんは、「65歳で現職を辞め、後はゆっくりと思っていたのが、横田基地がキナ臭くて、『撤去の会』を立ち上げた。基地の問題があっても、福生でアンケートをとると、80%が基地容認です。16号沿いの商店街は『あってもいいよ』の感じです。だけど、横田基地の飛行機は世界中で空爆をしたり、人を殺したり、戦争をやっているのです。ですから、私たちが反対もせずに、見ているだけでは、加害者になってしまいます。被害者にもなりたくないが、加害者でもよくないと思いました。
西多摩は保守的なところです。沖縄に学び、行動を起こしました。児童公園で月に一回座り込みをしています。111回を重ね、10年目に入っています。
オスプレイが横田に来ることを知ったNHKが最初に取材に来ました。『CV22オスプレイは運動している団体に聞かなくてはならない』と言われるところまで来ました。『声を挙げている』ことが 大事かと思い、仲間に支えられて10年頑張ってきました。
いま、横田基地が大変なことになっています。CV22オスプレイの配備、特殊部隊のパラシュート降下訓練、C130新型輸送機。すべて特殊作戦任務に結びついています。横田基地は3350メートルの滑走路を持ち、どんな航空機でも着陸できます。空は1都8県にまたがる横田空域です。基地には在日米軍司令部、第5空軍司令部、日米共同統合運用調整所などがあり、嘉手納、三沢を統括する司令官が横田にいます。
なかでも日米共同統合運用調整が重要な役割を果たしています。横田は兵站基地でしたが、武器、兵士を運ぶ基地でしたが、いまや兵站ではなく、世界どこにでも侵略、攻撃が可能な最前線の米軍の航空基地になっています。
また、米軍再編により横田基地に航空自衛隊が来ました。同じところに司令部があり、直に話ができる環境にあります。日米軍事一体化が急速に進んでいます」と米国の世界戦略の最前線にある横田基地の危険性について熱く語りました。
講演後に開かれた総会には40名の会員が参加し、葛西さんの司会で議事が進められ、佐藤俊広事務局長が「これからの運動について」次のように報告しました。
「これからの活動についてで、触れていないことに、南北会談があり、米朝会談が実現しました。共同宣言が発表されました。憲法九条を守る運動にとって大きな転機になっています。朝鮮半島の非核化、平和体制の構築ということは、この問題に対処しようとしているのでは、と思います。
国内のメディアには、冷ややかに否定するような論調が目立ちます。情勢の変化で安倍首相の発言は否定されています。憲法九条に基づいた平和外交を進めていくことが求められている」と発言したうえで、毎月行っている「9の日」行動、会報の発行、講演会、憲法カフェ、戦争法廃止3000万署名(2094筆達成)、基地ウオッチ、新春のつどい、平和のための戦争展、文化祭、9条連絡会などに取り組んできたことを報告しました。
新たな段階に入った9条を巡る状況について、安倍内閣は「改憲」を本格化させ、「戦争をする国」を目指して、総仕上げに入るだろう。しかし、改憲反対、立憲主義回復、安保法制廃止の声は確実に高まり、さまざまな運動が取り組まれ、安倍政権下の9条改憲反対で一致、「市民と野党の共闘を求める声も広がり、いまこそ、一人ひとりの対話が大事。私たちの会も第2ランドを果敢に闘いたい。と提起しました。
多彩な活動で、改憲を許さない市民の声を大きくするために
@改憲発議をさせないために「3000万人」署名の取り組みを継続する
A「核兵器禁止条約」の署名・批准を求める
Bマスコミの報道を注視し、批判・激励の声を届ける
C「会報」を充実させ読者を増やす。「9の日」行動を工夫し、市民に広げる
Dリーフレット「入会のすすめ」を活用し、会員をふやす
E憲法を学習し、会員一人ひとりが、その思いを市民に語れるようにする
Fさまざまな話題や関心に応える、「憲法カフエ」の充実
G「文化サロン」を開催、戦争展・文化祭に参加し、他のサークルとつながりをつくる
Hオスプレイの横田配備、東西道路建設による所沢米軍通信基地の強化・固定化に反対する
I情勢に見合った「チラシ」を作製し、多くの市民へ
J会員相互の親睦をはかり楽しく活動する
K運動の継続性をはかるため、新しい世話人を迎える
L所沢9条連絡会、近隣9条の会、「守ろう憲法・オール所沢」などとの連携を強める
などの活動の指針が提起されました。
佐藤事務局長による会計報告と、白戸由郎さんの会計検査報告が全員の拍手で承認されました。
参加者からは、所沢通信基地の強化・恒久化にもっと注視すべきだ。沖縄知事選との共闘。8区野党共闘に組織加入すべきだ。などの発言が相次ぎました。米軍所沢通信基地が強化拡大されそうだ。注視してほしい。などの発言がありました。
新しい世話人の平野さん、原田さんを紹介したあと、閉会の挨拶は、新しい代表世話人に就任した桂壮三郎(映画プロデューサー)さんが、「9条を絶対に守りましょう」と訴えて、総会を終えました。
梅田 正己 豪雨災害で土砂に呑み込まれた家々の様子を映すテレビを、毎日、胸を痛めて見ている。同じような光景を、もう何年見続けてきただろうか。この私たちの列島が災害列島であることはもはや否定できない。 ではこの災害列島における安全保障とは何だろうか。安倍首相は国の安全保障とは国民の生命、財産を守ることだという。ならば、毎年襲ってくる自然災害の脅威に備えることこそ安全保障の第一の目的ではないのか。 米朝首脳会談の実現によって「北朝鮮の脅威」は遠のいた。もはやミサイル防衛に巨額の国費を投じる必要はない。投じるべきは災害に備えての大規模な「国土防衛」の対策事業である。 自衛隊の準機関紙「朝雲」によると今回の災害救助で出動した隊員数は3万という。自然災害への対策こそが国の安全保障の第一命題であるなら、自衛隊の半分を国土防衛・災害救助の専門部隊に再編すべきではないか。 自民党はあれだけの非行を重ねながらなお40%の支持率を保っている。最大の理由は取って代われる野党がないからだ。野党もこのくらいの根本的提案をぶつけて議論を挑んでみたらいいと思う。
もくじへ
この耐えがたい猛暑にすっかり打ちのめされていたのですが、思いがけなくノウゼンカヅラがたくさんの花を吊り下げ、30株ほどのヒオウギに蕾やあどけなくも上品な花を咲かせているのを発見、嬉しくなりました。
ノウゼンカヅラは待つこと13年、ヒオウギは3年です。
実は、植物を育てるのは苦手です。“千葉のおばちゃん”と呼ばれる訪問販売の人から、ジャスミンを買ったのを手初めに、白河のバラ園で求めた薔薇、贈られたシクラメン、近くの花屋さんで手に入れた鉢物と、すべて枯らしてしまったという「手腕」の持ち主です。
土に植えればきっと自然が育ててくれるだろうと、転居の折にノウゼンカヅラはパーゴラの柱の近くに植え付け、ヒオウギの種はあちこちにばら蒔いて埋めました。
その年、ノウゼンカヅラはひょろひょろと蔓を延ばしたものの、とても細くて貧弱でした。葉がたくさん出れば光合成も十分に出来るのに、やっぱりダメなのかな、と早くもあきらめの気分。さらに、ヒオウギと来たら芽の出る気配すらありませんでした。
ノウゼンカヅラはもう10年以上も前に、夫の実家から掘り取ってきたものです。鉢植えに目印の棒を立てて庭に置いたのですが、何度も草刈機で刈られて、植え直したときには、根はあったものの、地上部はほとんどありませんでした。
ヒオウギは、丹沢のゴルフ場整備で失われつつあるヒオウギを残そうと「西山を守る会」が種を取って育てる活動を始め、その真黒な種(ヌバタマ)をいただいたものです。蒔いた後にけっこう雨が降ったので、種は流されて定着できなかったものと思っていました。
それでも2年目には、ノウゼンカヅラは這い上って葉を広げました。でも、花を咲かせません。ヒオウギはほんの2株だけが葉を出し、それぞれ一つの花を咲かせました。そして3年目。どうやらしっかりと大地に根付いたのでしょう。
桜、杏、白花の山吹、ピンクの雪柳、紫式部、栴檀、桂、まだまだ小さい木のこれからが楽しみです。
原 緑
西日本の豪雨災害、炎暑による熱中症死亡者急増など、異常気象が日本列島をおおっています。
▼米軍所沢通信基地にオスプレイ飛来
総会でのCV22オスプレイ講演から3日後の7月2日、そのオスプレイが所沢に飛来し米軍通信基地に着陸、離陸しました。11、17、18日にも所沢上空への飛来が確認されています。所沢市は北関東防衛局に抗議。私たちも「9の日」に、「米軍の特殊作戦機、事故多発の危険なオスプレイは来るな!」のチラシをつくり市民に訴えました。
▼「安倍9条改憲NO!」署名、第4次集約9月末
全国市民アクションは、7月1日、「さらなる戸別訪問と対話で3000万人署名達成」をよびかける声明を発表しました。これに応えて、世話人会では、「9の日」にくわえ19日も新所沢駅頭で署名行動に取り組むことを確認。集合住宅・マンションへのチラシ・署名用紙の配布も計画しています。会の署名数は現在995筆。会員のみなさんのさらなる署名の取り組みをお願いします。
▼孫崎享さん講演会
前号この欄で、所沢「9条の会」連絡会が、米朝首脳会談後の情勢と展望について講演会を計画していることをお知らせしました。10月21日(日)午後、元外務省国際情報局長の孫崎享さんに「北東アジアの平和をどうつくるかー憲法9条を生かす」と題して講演していただくことが決まりました。次号にチラシを入れますが、今からご予定ください。