機関紙25号 (2007年7月3日発行)



もくじ
「新たな局面」についての思い
 特別インタビュー 坂本修弁護士「憲法改正手続き法」成立後の展望を語る
いま、私は言いたい
 暴力的抑制と闘うとき
 私と戦争と平和憲法
会員の芸術部門での受賞相次ぐ
情報ファイル
 本音で語ろう2 先生たちとのフリートーク
 We Love 9条 うたごえ喫茶 in 所沢 Vol.3



「新たな局面」についての思い

特別インタビュー 坂本修弁護士「憲法改正手続き法」成立後の展望を語る

 5月14日、「憲法改正手続き法」が、自公の強行採決で成立した。私たちの九条を守る運動は新しい段階に入りました。市民の中に、「九条を変えるな」という、共同の輪を大きく広げ、国会内で発議させない運動を展開しなければなりません。「いつの日か国民投票で勝てば」ということでは済まない問題があります。解釈改憲、実質改憲の動きが加速されるなか、これから、私たちは、どう向かい合えばいいかを、昨年、当会の講演会や、憲法擁護の運動に全国を東奔西走する坂本修弁護士(写真・東京法律事務所)に語ってもらいました。

来るところまできた、並の情勢ではない

今をどのような時点とみておられますか

 改憲について新しい重大な局面に入ったと見ます。60年前に憲法が出来たときから、アメリカが日本の再軍備、日本の憲法を変えようとする動きが始まっています。何度も改憲ということが、この国では語られてきました。ある時期から、議席の差から憲法を変えることは困難だが、解釈改憲、実質改憲を進めてきたことは事実です。しかし、小泉内閣が誕生して、政治的な課題として、憲法九条の改憲をするのだと公然と言い出したこと、自民党の中でも、いろいろありますが、自民党の新憲法草案を結党50周年で世に発表したことです。中味もはっきりさせ、早期に実現させることを政権政党が国民に明らかにして、憲法擁護義務を持つ内閣総理大臣が打ち出したことです。改憲策動の新しい時点に入ったのが、今日の特徴だと言えます。

 米国の世界戦略の中で、アメリカのラムズフェルドの言葉を借りれば「ボーイスカウトの自衛隊」が、アメリカ軍と共に流血の戦場に立てという要求が強まり、周辺事態法、テロ特措法などの違憲立法をし、イラクなどで、戦争荷担行為にハッキリ入った。私たちから言えば「来るところまできた」となりますが、向こうから見れば、「来るところが到底たりない」となり、集団自衛権の行使から、戦場に日本の軍隊を公然と出して戦争をするということが、米国の要求でした。

 これに対して、これまでの財界は米国の要請に合わせてやっていますという姿勢から、多国籍化した日本の財界が、米国と共に自国の権益を守って、国の内外において強化して発展させて、矛盾は武装力を持っても防ぐということに踏み切ったということです。だから、財界は公然と憲法九条を変える。集団自衛権の行使を明記することを中心に置いて改憲を迫ったのです。こんななかでの小泉の強行でした。

 ただ憲法を変えるというのではなく、天皇の元首化、集団自衛権の行使、家庭まで国家が指導していく、人権は国益に従属する。そういうことを天皇を中心に連綿と繋いできた国柄であるとして、そういう国にするという姿勢を打ち出しました。安倍首相はそういう運動の中心にいた人物です。内閣17人のうち、15人が靖国派と言われる人たちだ。国体再建派のような内閣ができたということが、新しい事態に立ったと言えます。イデオロギー的、政治的にそうだということだけでなく、トップが強行に指揮権を発動するようなやり方で、改憲手続き法を議会制民主主義を葬って成立をさせる。ここも新しい事態です。

 そして、改憲手続き法を手に入れて参議院選挙の公約にする。3年後には発議するという、彼らの最速のスケジュールを明記しています。

 やはり、並の情勢ではないと言えます。小泉内閣の自民党改憲草案が第1段階ロケットだとすると、安倍内閣の国民投票法案の制定と3年後の発議は第2段階のロケットの点火となります。

「3年後の国民投票で勝でばいい」ということにはならないと指摘しておられますが

 改憲をするということは、日本をアメリカと共に血の同盟でたたかう軍事大国にするということです。新自由主義路線をさらに強化することにもなります。このスローガン的に言えば「消えた年金、上がる税金、弱肉強食の格差社会、老いも若きも棄民(きみん)の国」、限度の無い高収奪の国になることです。

安倍内閣はやりたいことはやる方針

 ですから、新自由主義路線を進めれば民衆の要求や怒りを抑えなければなりません。権力的と思想的な両側面から抑えることになりますが、教育の問題がそうでした。

 彼らは3年を待たずに、多数議席と二大政党システムの中で、やりたいことはやる路線を走っています。3年後に発議をして、合法的に改憲を行う戦略ではありません。それまで待たずに、どんどん突破して行くことになります。残業代不払い、年金も消えて、日本はここまできているのだから、もうよろしいのではないでしょうかと迫ったと同じように、国民投票で勝つことも展望して、事実上の改憲策動を強引に進めると思います。

 そのことで一番眼に見えていることは、法律です。自衛隊法の改正、防衛庁を防衛省に格上げし、海外派兵を自衛隊の本務化、基地特措法とか、米軍との共同態勢の強化は立法という面で反映しています。しかし、立法だけ見ていてもダメです。日米の共同訓練はイラクから帰った米軍が自衛隊の教官になり、一緒に市街戦の訓練をしている。イラク型の戦争に即応できる軍事訓練が日常的に行われている実態があります。高遠型輸送艦、大型上陸強襲艦。ホバークラフトも積み、いつでも海外に出兵できる態勢が整っているのが実態です。

 そのうえで、暴露された自衛隊情報保全隊による、国民監視の自衛隊の姿です。自民党の新憲法草案によれば、軍事裁判所の設置ということになりますが、この草案で、九条の二項に、自衛軍を保持するとあります。二項が国土防衛に対して、わざわざ三を設けて、「国際社会の平和と安全を確保するために国際的に協調して行われる活動及び緊急事態における公の秩序を維持し、又は国民の生命若しくは自由を守るために活動を行うことができる」と、国際協調が強調されていますが、国際決議もなにもついてはいません。

 これはイラク型の戦争をするということを法文上明確にしたものです。ですから、九条の二項を削除するということは、歯止めを取るということではなく、牙を生やすことになります。「緊急事態における公の秩序を維持し」とある改憲されたときの憲法条項で保護されることを先取りしているのが、自衛隊の国民監視ということです。それが、暴露されたということです。

 私たちは二つの課題にぶつかります。改憲阻止のために広範な人々と九条改悪の一致点での運動は、ますます広めなくてはいけない大事な課題として進めながら、目の前に次々と現れてくる逆流・悪法に声を上げなくていいのかとの問題です。一つ一つの濁流と取り組むのには、困難な側面が山ほどありますが、あきらめたらおしまいです。

 そして反転攻勢の転機が確実に広がってきているのです。この国が、どこに向かおうとしているのか、自分の要求を実現させようとするとき、眼の前の現状をしっかりと、とらえなくてはなりません。要求のもとで動き出した人間が、自然発生的に動き出したりはしないが、急速につかまえる状況が生まれてきている。そこにもっと自信とおおらかに考えた方がほうが良いのではないでしようか。

 教育基本法の闘いは、日教組、全教の枠、教師と父兄の枠を超えて、広範に広がりました。教育基本法の改悪はされましたが、大きく戦線を広げました。かつての有事立法反対では、20労組運動の共闘がありました。中心に海員組合、港湾など連合や全労連とは異なる流れの組合が、有事法制反対の一点で運動を行い、最後には憲法九条改悪反対が座ることになります。私は海員組合の集会で、佐高信さんと話しをしたことがありますが、あの戦争で7万5千人の海員を失い、うち、18歳以下の少年船員が沢山死んでいるといいます。ここまでくると、有事法制はもちろん反対ですが、同時に憲法を変えてはならないと、ならざるを得ません。海員組合は連合ですが、坂本さん遠慮しないで話して下さいと言われました。連合の中で、憲法問題をどうするか議論するとき、この海員、私鉄などの組合が九条問題で連合が揺れてはいけないと頑張っていると聞いています、

「なにか違う」と思い始めた流れをつかめるか

 私もみなさんの意見を聞きたいのです。小泉・安倍内閣は新自由主義、格差社会の中で、人間らしく働き生きる、人間が人間らしく生きようとすることを、それを根底から覆しています。その怒りと批判がすぐにデモになったり、一揆にはなりませんが、確実に底辺から動き出しています。新自由主義をばく進し、最も凶暴な米国型新自由主義の国柄にしようとする改憲に対して、ストレートではありませんが、急速に接近していると私は見ています。

 その証拠に、かつて憲法改正賛成反対を問うと、改憲賛成が6割超え、反対は2割ぐらいだったものが、今まだ、改憲賛成は多数ですが、こと九条改憲では、読売の調査でも反対が増えています。大きなテンポで改憲反対が増えていると言っても過言ではありません。これが3年間の大きな変化なのです。静岡新聞は、九条改憲反対の運動が広がっている証左と報じています。構造改革が善であり、規制改革が善であり、一時の苦しみの先にはバラ色の幸せがあるという改革ムード・キャンペーンの流れの中で、古いものは悪しきものであり、60年前の憲法を守れなどは守旧のかぎりであり、そんな感情みたいなものがあったのではないでしょうか。それが崩れています。違うんではないかと国民は思い始め、この流れが本格的になったとき、向こう側の「3年間でやってしまえ」に対して、「そうはいかんぞよ」の流れが大きくなる客観的条件が、目の前に広がりつつあると言えます。

 私たちの運動がそれをたくみに、本当につかみ取れるかに勝負がかかっている。いまやらないで、「3年後の国民投票で勝てばいい」と言う人はいないだろうが、そうではなく「発議をさせない」状況を作ることです。

情勢に確信を持ち、もっとおおらかな考えを

「枠を超えた共同」をどう構築するのですか

 戦後初めて、民衆レベルで憲法について語りだした時代です。私も司法試験の時は、憲法全文を読んだが、弁護士になって、女性差別となれば、その項目を、国家秘密法となれば、言論の自由、表現の自由を一生懸命読みますが、労働者や国民は、本格的に憲法とはなんぞや、立憲主義とはなんぞや、九条とはそもそも何だ。基本的人権がどこでどう関係してくるのか。ということを語り合ったことはあったのでしょうか。私は無かったと思います。

 日本国憲法を抹殺するという向こう側の攻撃に対して、もう一度憲法をつかみ直すという運動が九条の会中心に始まっています。これが、やってみて、話せば話すほど力になり、無限に語り、無限に広がり、多くの人の同意を得ることができる状況です。そういうことを私たちは経験しているのが今です。

 これから3年と迫られましたから、これまで3年でやってきたことの戦略的な利点をもういっぺん掴み直すことが必要です。3年前の学習会で「坂本さんは、今の憲法はいいものだと前提にものを言いますので、私の心には届きませんでした」と、批判されたことがあります。その後、私はこの3年間、「日本国憲法は基本的に何なのか」という、話しをしてきました。

 憲法の中にある、個人の幸福追求権、基本的人権、生存権の重要性、人間らしく働く権利など、トータルなものとして憲法を語ってきました。それと戦争は絶対しないということは不可分に連動していると話してきました。話し合いどころではというのではなく無限に広げていくことが対抗手段の第一の柱にしたいと思っています。

 共同の話しは、九条を守るということでは、保守と言われる人を含む共闘が画期的に広がり、この種の運動では経験したことのない広がりです。宗教家、数は少ないが有力な自衛隊幹部、こういう人を含めてもっと広がると確信しております。そして、戦争を知っておられた方の発言が戦争を知らなかった世代に広がっていきます。こういう人たちが、もっと積極的な役割を果たすことになります。

 問題は護憲勢力といわれる中での共闘がどうなっているかです。この壁も政党間を含め、様々なレベルで垣根を越えて広がっていますが、けれど、あと3年となれば、そのレベルでいいとは私は思いません。


護憲派が選挙で2、3の議席が増えてもどうにもならないのでは。全国的に沖縄のような選挙区を作れないものですか

 いますぐには無理と思います。そこを強調すると、反対派と賛成派のリトマス試験紙になってしまうのです。沖縄型の選挙を一生懸命に考える人についてはなんの違和感もありません。リトマス試験紙を運動に持ち込んだら、残念ながら、現在の状況では拙速で逆の結果がでてきます。そうやって何議席を増やしても3分の1にはいかないのが実態です。

 むしろ、「草の根型」の共同で枠を超える運動を先行的に、おおらかに運動の課題にしたほうが良いと思います。

 私は新社会党の集会にも呼ばれて、そこでも話しています。まだ、小さいが新しい息吹を見た思いがします。思想的にどんな違いがあっても、この改憲阻止に手を結ぶ、そんな教訓をあらゆる集会で講演して、私も学んできました。大意を留保して大同につく。そうして改憲を阻止したとき、この社会は変わるだろうと話しています。改憲阻止の闘いをする人たちは、お互いに学び合う時代です。防衛省に手製のロケットを打ち込むような勢力とは手をくめません。それは運動をガタガタにするからです。それ以外は、私たちのやり方に間違いないなどと思わずに学び合うことです。私自身もいろんな所に呼ばれて学び、変わってきているのです。

 共同でもう一つ大事なことは、労働運動がこの問題にどう立ち向かえるかです。安保闘争の時は、労働界がいろんな問題を抱えていても、主力は総評だった。それが安保共闘を広げ、20万、30万のデモの先頭は、鉄鋼労連、電気労連の旗が翻り、その後には青年労働者の大群が続いた。知識層の結集はたしかに今よりあったと思います。

 しかし、市民レベルで見ると、いまより狭かったのではないでしようか。

 同列を持って論ずるわけにはいきませんが、各地の安保共闘は2千いくらか、3千いってなかったと思います。だけどそれは質が違いますから、数で比較するわけにはいきません。

 ただ、労働運動のなかでこの問題に取り組んでいる力というものは格段の差で今が弱いと思います。そして、市民層への広がりや宗教家への広がりは前にない広がりを見て、プラス条件と見るのですが、それでは労働運動の中にこの問題に、署名活動も含めた立ち向かう力が、今のレベルで勝利できるかと言ったら、心配ですね。

鈍い労働組合の動き、求められる世代をつなぐこと

そこをどう強めたらいいのですか

 問題はふたつあります。一つは共同センターを300いくつか各地につくってますね。その中心は新婦人あり、民医連あり、農民連あり等々ですよ。その中で全労連が大きな役割を果たしており、各地に行けば県労連が大きな役割を果たしている。そのことの積極性は全然異論がない。共同センターには自由法曹団も入っています。問題があるというのは共同センターの中心をになっている全労連の労働組合の職場の中で、憲法改悪阻止を本当に自らの要求で、どのレベルで、どこまで出来ているかと言うことです。この3年の間にどこまでどういう方針・やり方でやるか、どこまで力を広げることができるのかと言うことです。

 逆転の発想はあります。この中でこの要求を自らの要求にするという活動を3年間たたかい抜く中で、全労連関係の労働組合が今とは違った活力を持つ、しかもそれが世代をつなぐ運動になりうるのではないか、希望を含めて持ってます。逆に、それが希望につながらないならば、団塊の世代が活動家がいなくなっていく中で、全部年金組合に移行した中で、全労連運動はどこに行くのかという問題に、嫌でも応でもぶつかっているはずです。だから、これがチャンスなんだと言うことです。念のために言いますが、私は今年75歳になる。自由法曹団員として48年間やり、去年の10月団長を辞任し、対策本部長も今週辞任します。文字通り一団員に戻ります。

 私はこの憲法闘争に自由法曹団ももちろん、日本の歴史をかけたたたかいだと思っているのですが同時に、団の未来を考えたときに、このたたかいを闘い抜く中で40代50代の実力部隊が、今までの人権闘争をいまでもたたかっていると言う実感とエネルギーをさらに、この国の運命を賭する闘いに自ら主人公として役割を果たしたと言う政治経験を積んだ団員となります。

 だから労働組合について言ったことは多少のレベル、条件の違いはありますが、私は自由法曹団にも同じ思いを持っていますし、さらに言えば、日本の全民主勢力に共通する課題だと言うふうに思っています。

 もう一つ、連合のことです。全労連の幹部の言ったことですが、連合は、合計で六百数十万の大部隊でしょう。この連合の中で、どの組合が憲法改悪についてどういう態度をとっているかと言うことをずっとみてきてみると次のことが判りました。

 簡単に言ったら、九条改悪いかなる理屈をつけてもだめだというのが、闘う歴史を持った組合の固まりがあります。それから論争するのはいい、この状況の中で九条を改憲するのは反対というのがひとかたまりあるのです。また、この問題には労働組合として組織上一切触れないというのがひとかたまりあります。変えたらいいじゃないかという積極派がひとかたまりが存在します。

重層的な共闘で全力を挙げなければ勝てない

 4つに分かれますが、人員比率でいくと結構面白いのです。そういう流れの中で連合としては凍結をしました。去年の総会で、最初は民主党型、国連参加はいいのじゃないか、憲法九条変えてもいいけれども歯止めをかける、そして自衛のための自衛隊、国連に対する協力はこれは国際紛争を解決する手段として武装力の行使ではないと言う小沢型でまとめようとしたのが執行部の最初の案だが、げと猛烈反対、論ずるのはいいけれどという9条改憲反対派はかなりのパワーを持っていたのです。態度を出せば割れます。だから凍結したのです。凍結しないで、今言った執行部の意見で公表されたら大変だったと思いますよ。問題は全労連の幹部の言葉をそのまま借りれば、日本の労働運動は右左に意見が分かれる、左は頑張る、時には消える、だが頑張る。こういう労働運動が憲法九条反対の一点で、労働運動として多数派を形成することが出来ないだろうかと真剣に考えたいと言っていました。

 もし全労連の仮に6割の労働者70〜80万人が本当に職場と地域で訴えたら、共同センターの組織200万を超えます。半分の100万が20人を組織したら2000万人になってしまうのです。浮動票あるんですから、勝負は出来ると思うのです。その運動抜きに世論調査で分析をして、広がったのどうのと言ったってだめです。根は非常に浅いのです。なぜなら、世論調査で改憲反対の方にカウントされている人たちが、いま解釈改憲でいいんだと言っているのですから。絶対反対だと言っている人は20%ぐらいです。堅い反対を増やすのと「それは心配だね」という人を広く増やすのと。これはあれかこれかではなく連動しているのです。

 彼らが攻めてくるときは、彼ら流の国民運動は起こすと思います。靖国派が出てきたのはそれだと思います。しかしあのイデオロギーは古くて逆に、あれしか使えないのかと思います。今、一番私たちを助けてくれているのは安倍首相です。学習会で話す時、なんて話しやすいことか。血の同盟のために戦後レジュームを全部変えてね。その障害になっているのが憲法だと向こうの大将が言ってくれるというのが、丁度労働条件でいったら、不当労働行為で会社の労務がきてこんな労働組合許せない。抹殺するんだと法廷で証言しているようなものです。

 ただ、彼らはメディアも使うし、国民投票に打って出ると言うときにはあらゆる力を動員しますよ。あらゆる力を動員して、しかも既成事実先行で攻めてくるのに対して、今話した重層的な共闘をつくると言うことに今から全力を挙げなければ勝てない。全力あげたら勝てる、そう思います。

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鈴木彰の「60年、大地に深し9条の根」

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いま、私は言いたい

暴力的抑制と闘うとき

高橋旦 (元町在住)

 自衛隊の「情報保全隊」が、各分野の国民運動に対して監視、情報収集、つまりスパイ活動を行っていることが明らかになつた。久間防衛相は、「情報収集のどこが悪い」と開き直っているが、「戦前戦中の憲兵政治」の復活であり、異常な言論弾圧との批判が出ている。国家権力の反国民性がいまやここまで来ていることに、私は改めて声を大にして叫ばずにいられない。「国民と民主主義を守ろう、憲法を守ろう!」

 安倍首相の「美しい国づくり」が、戦前戦中への逆戻りを目指すものであることは隠しようもないことだが、「愚かな妄想」と笑っているだけではとんでもないことになる、靖国派を中心とする彼らは、彼らの野望を実現するための計画を着実に進めつつある。

 年金5千万件が宙に浮き消えているずさんさは、国民を暴力的に統治する権力の正体の一面を示しているものとも言えよう。  では、私たちはいま、何をするのか。

 自公権力の意図する方向を身のまわりの人々、地域の人々に語りつくすことが第一だ。宣伝というより対話だ、第二次大戦を始めて、全国焦土と化した敗戦の悲惨さ、戦争が国民にもたらしたものが何だったかについて体験を語れる人は少なくなってきているが、戦争の実害を示す遺産は豊富であるし、共感の下地は大きい。同時にアジアの諸国民に対して日本が残酷な加害者であった事実をかたときも忘れてはならないことを語り合おう。

私と戦争と平和憲法

伏木野静代 (山口在住)

 私の父は昭和19年9月、私の2才の誕生目に出征しました。取り寄せた「兵籍簿」によると「昭和20年11月27日、コレラ兼脚気により中国、武昌第183兵站病院において戦病死」とあります。

 出征するときロケットになっている時計に私と母の写真を入れて行ったと聞きました。父の骨が白木の箱に入って戻ってきたとき、私は「箱の中に父の首が入っているに違いないから開けてくれ」と言ったと、あとから叔母に聞かされました。

 自分の父親っていったいどんな人なんだろう、自分に似ているところはどこだろう、もっと父を知ることによって自分自身を知りたいと、思いはつきることがありません。

 大陸で父は一人ぼっちで、どんな思いで死んで行ったのでしょうか。知りたいことは山ほどあります。

 15年前に職場でもある大学生協が「日本の戦跡を訪ねるツアー」を立ち上げました。

 

 私は友人をさそって30人位の学生さんたちと14日間の中国の旅に参加しました。

 目的地の武昌はありませんでしたが、ともかく中国へ行きたかったのです。南京、瀋陽、撫順、柳条溝、上海、北京などを訪ねました。

 戦跡の施設では事実の壮絶さに愕然とすると共に、日本への抗議の言葉があるのではないかとビクビクしていましたが、よく来てくれたと歓迎されました。

 60年たっても今だに戦争の傷あとに苦しんでいる人が沢山います。アジアに日本に。

 長い戦争が終わって平和憲法に接したとき、日本中の殆どの人々が喜んで受け入れ、育ててきたと思います。これからも大切にしていきたいと思います。

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会員の芸術部門での受賞相次ぐ

藤原秀法さん(県展で埼玉県知事賞)

 第57回県展で藤原秀法さん(山口在住)が、彫刻の部門で埼玉県知事賞を受賞しました。受賞作品はお孫さんをモデルにした、等身大の大作「15才の夏(写真は作品と藤原さん)」です。審査評には「題名に相応しいおだやかな作品です。作者はベテラン中のベテラン。今まで知事賞をお取りにならなかったのが不思議」とありました。47年前の日刻展で初の受賞以来、三度目の大賞受賞となりました。作品は日美彫刻展(7月1日〜7日、銀座東和ギャラリー)や平和への共通した人の展覧会、平和美術展(7月28日から8月11日まで、上野都美術館)でご覧になれます。






安藤武雄さん(日本写真家ユニオン第2回公募展で大賞)

安藤武雄さん (中新井在住)は、日本写真家ユニオン第2回公募展のクラシック写真の部で「カナダ移民『ワニ屋』のアルバムより(写真)」が大賞となりました。安藤さんは「戦後まるで音信がとだえたのですが、5年前に突然、カナダにいるいとこ2人の健在が確認でき訪問しました。思いもかけぬ歓迎を受け、そのおりアルバムを見せて頂き、複写しました。帰国後によくよく見ると貴重なドキュメンタリーだと思い応募しました」と語っています。現在、安藤さんは歴西美術展、平和美術展、乱気流展などに出品しています。

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情報ファイル

本音で語ろう2 先生たちとのフリートーク

 全国一斉学カテスト、教育再生会議、教育関連法案、所沢の2学期制等々、市内の小・中学校の先生たちとみんなで語りあいましょう。

◎参加者 所沢市内小中校教師と参加希望者(定員300人)
◎日 時 7月7日(土)午後1時30分-4時30分
◎会 場 松井公民館ホール(TEL 04-2994-1222)
     所沢駅東口より2番のりば乗車15分「西武秋津団地」下車すぐ
◎資料代 300円
◎主 催 所沢子どもたちの未来と教育を考える会
◎連絡先 内田 04-2948-5592 持丸 04-2924-5608 谷村 04-2944-7103

We Love 9条 うたごえ喫茶 in 所沢 Vol.3

口と き 8月5日(日)午後2時30分から5時
口ところ 所沢市役所1階ティールーム蛮果
       TEL 04-2998-9079 航空公園駅東口徒歩3分
口かいひ ひとり1000円(コーヒー&ケーキ付)
口伴 奏 アコーディオン新井幸子
口主 催 所沢・平和のためのうたごえ喫茶実行委員会
     連絡先 04-2993-6861 大関俊雄
協賛団体 マスコミ・文化九条の会所沢 新日本婦人の会けやきコーラス 合唱団ききゅう 全日本年金者組合所沢支部うたごえサークルこだま
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