機関紙39号 (2008年10月27日発行)



もくじ
米国が露骨に求める解釈改憲の拡大
  民主党の暗黙の合意で洋上給油が可決
   桂 敬一(元東大教授)
長い坂
   鈴木太郎(中新井在住・詩人)
会の文化展に4日間、延べ400人
  書、画、彫刻、工芸、写真など50点を展示
  沖縄の歌と三線に魅了、詩人の魂にも触れる
さやまのもり
   山本みち子
「文化展」に参加して
  九条の会に相応しい催し
   岡田尋子(元住吉在住)
  聴く人の顔に涙が…
あれこれ(13)
  止まった時間
   増岡敏和 (詩人)
鈴木彰の「かしこくも勝てぬ解散したくない」
「九条の会」第3回全国交流集会を前にして
   鴨川孝司(代表代行)
「知る権利」を侵害する21世紀臨調の危険な策動
  不公平な選挙報道は民主主義の危機
  元朝日新聞大阪本社編集局長・長谷川千秋氏がネットで指摘
いま私は言いたい
  最近の世相に思う
   畑中 繁(牛沼在住)
短信
  ■長編音楽ドキュメンタリー映画「荒木栄の歌が聞こえる」上映会
  ■うたごえ運動60周年記念




米国が露骨に求める解釈改憲の拡大

民主党の暗黙の合意で洋上給油が可決

桂 敬一(元東大教授)

 米軍ほかアフガニスタンの軍事作戦に参加するインド洋上の外国艦船への給油を、海上自衛隊に続行させるための新テロ特措法「改正」案が10月20日、衆院特別委員会で可決された。僅か2日の審議だ。かたちのうえでは民主、共産、社民、国民新党の各野党がそろって反対しているが、実質審議がこんなに短くされたのには、民主党があらかじめそうした議事運営に、暗黙の合意を与えたことが影響している。

 民主党のハラには、どうせ勝ち目のない衆院の法案審議のもみ合いは時間をかけず、さっさと切りあげ、与党に恩を売り、解散を早くさせるにしくはない、とする計算があった。

 だが、ことは計算どおり運ぶだろうか。民主党は参院ではこの法案を否決する。すると、与党は遠慮なく、すぐ再可決で法案を通し、給油継続の実績をあげ、妨害者=民主党を批判する。

 そして、この手を、金融危機に臨む景気対策新法案についても使う。解散を早めるには衆院の議決を早くしたほうがいいぞ、審議を長引かせるなと、民主党に、のどから手が出るほど欲しい早期解散をちらつかせる。こうやっていけば、いざ選挙となったとき、いろいろな法案実現に努めたのは与党、妨害ばかりしてきたのが民主党、という宣伝ができる。野党は本当は審議の場で、たっぷり時間をかけ、これら法案の反憲法的な問題点や、国民生活より金融界の安定を優先させる内容などをしっかり追及、与党の政策を選挙前にきっちり批判しておくことのほうが有利だったのではないか、と思われてならない。

 総じて不可解なのが、改憲ごり押しむき出しの安倍政権がこけ、後釜の福田内閣がそれどころではないと、「国民目線」「消費者尊重」などのポーズをみせ出すと、護憲派陣営でもともすれば、「もうあからさまな改憲、九条の明文改憲は出せなくなった」と、安心しだす雰囲気が生まれていたことだ。その福田政権が不人気で倒れた。不人気の自分では来るべき選挙はたたかえない、とする自覚があったのだろう。

 しかし、後継の麻生政権だって人気が出るわけがない。だが、だからといって、「明文改憲はない」などと、安心していられるだろうか。

 麻生内閣は、下手に選挙には「明文改憲」を持ち出さないだろう。しかし、解散をエサに民主党を惑わし、アフガン戦争の性格が変わりつつあるなかでインド洋上での兵站作戦を続行、「集団的自衛権」の合憲解釈の可能範囲を広げようとしているではないか。

 もしアフガン戦争へのもっと踏み込んだ自衛隊の参加などへと進めば、解釈改憲の実績は、とんでもないところまでいってしまう危険がある。

 アメリカが露骨にそれを求めだしている。きたるべき総選挙を考えるとき、私たちは、そうした動きを止めることができるのかどうかという問題にぶつかっているのだと、気を引き締めていく必要がある。


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長い坂

鈴木太郎(中新井在住・詩人)

長い坂

秋になった
風を感じている日暮れ
ふと 思い出したのは
長い坂だった

猪名川にかかる橋に向かっていく坂道だ
夕暮れになって
坂をのぼったところで
たたずんでまっているのだ

やがて向こう側の長い坂を
ひとりの男がのぼってくるのが見える
両手にもった荷物は
さびしそうに揺れていた

戦争が終わったあと
徴用された軍需工場をやめさせられて
やっとたどりついたさきが
進駐軍で大工として働くことだった

焼夷弾で焼かれた川原で
泣き叫んでいた夜を忘れて
チョコレートや缶詰を持って帰ってくるのを
喜んでいたのだ

親と子が手をつないで
長い坂をくだっていく
ほんのひととき
しあわせごっこを楽しんでいた

秋の暮色のなか
家族の団欒は
凍りつきはじめていた
やがて冬を迎えるとは思ってもいなかった

ひとつの断片だけが
薄紫の空を背にした
長い坂に残る
二つの影をおとして

(「九条の会・詩人の輸」事務局長)


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会の文化展に4日間、延べ400人

書、画、彫刻、工芸、写真など50点を展示
沖縄の歌と三線に魅了、詩人の魂にも触れる

 「会」主催の「平和と文化・ところざわ」展が、10月11日から15日まで市役所一階市民ギャラリーで開かれた。「平和憲法」を無傷で次世代に引き継ぐために「広く、深く、多様に語り合おう」と05年にラーク所沢で会が結成して以来、文化の香りがする取り組みをするのが念願であったが、市内在住の音楽、美術、写真、工芸などの分野で活躍される会員の協力と援助でやっと「文化展」の開催にこぎ着けた。

 今回の文化展には、実行委員会からの呼びかけで、市内外の35人による、書、画、彫刻、写真など50点が展示された。

 冒頭に開催の挨拶をした、副実行委員長の藤原秀法氏(彫刻家)は、「私はマスコミ・文化九条の会の文化で参加しています。会場には九条を讃美する作品が少ないと思われる方もおられると思いますが、九条を守りたいと思う人が集まっている団体ですので、九条の立場で好きなように表現しているとご理解下さい。こういう催しができた喜びをともに分かち合いたい」と語った。

 初日の2時から、椅子席一杯の参加者の前で、いちやりばーず&中田綾子、いちゃりばーず(豊岡マッシー、シーサー玉城)が出演し、沖縄の歌と三線を披露した。

12日には、詩人会議、日本現代詩人会、日本詩人クラブ有志の出演で詩の朗読が行われた。小森香子作「生きるとは」を青井耿子、青木春菜、美異亜の三氏が、詩人会議運営委員長の秋村宏氏が自作の詩「あおだいしょう」を朗読。実行委員長の中原道夫氏、浅見洋子、江口あけみ、山本みち子、田上悦子、平野秀哉の各氏も加藤高信さんの奏でるギターの伴奏をバックに朗読をした。会場は静かな感動に包まれた。

 作品の前で作者と話しながら鑑賞する人。「日本軍毒ガス戦の真実」のパネルの前では、立ちつくす人。九条世界会議のビデオを見る人。市役所に来たついでに会場に立ち寄った人など、4日間で延べ400人が会場を訪れた。

 参加者からは、「宣伝が不足している。絵を見たい人、三線や詩の朗読など聞きたい人はもっと大勢います」と苦言や、「土・日に音を出すことが出来る会場で」との声もあった。

 実行委員会は来年も一回り大きな規模で文化展を開くという。







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さやまのもり

山本みち子

今では トトロの森なんて洒落た名で呼ばれるこの森も
ご先祖さまが住み着いたのは 弥生とか 縄文とか
武蔵野の深い森を根城に 武蔵七党と称される武士団が
縦横無尽に駆け廻った時代もあり
江戸へ 鎌倉へ そして関八州へと
夢をひろげる男たちが踏み固めた旧街道は
いまも 毛細血管の周到さで張り巡らされて
そのぶんだけ 曰く因縁の語りぐさは 数しれない

あの長かった戦いも ようやく息切れする頃 この森の奥には
とてつもないものが隠されていた それは
主翼や胴体 プロペラや車輪など それぞれに分解された戦闘機
本土決戦にそなえ 近くの飛行場から運び込まれたものだ
森は まさに天然の格納庫
敵が本土に上陸した暁には すぐさま出撃ってわけ
その間にも 敵は空から易々とやってきた
森の向こうの工場や飛行場が 赤くはじけ
夜空を焦がすさまを 弟とふたりで眺めていた

ラジオからのくぐもった声が 無条件降伏をつげた日
村の者たちは 蟻が砂糖を運ぶように
隠されていた戦闘機を片っぱしから持ち帰った
落下傘は貴重な布だし 車輪はリヤカーの車にもってこい
おれら子供も 計器の欠けらでもと行ってはみたが
もう ネジのひとっも残っちやあいなかったさ
がらんとなった雑木林では あぶら蝉だけがやたら威勢よく
わっせ わっせと 御神輿をかついでいた

あれからだ 森も村も どこかで箍(たが)がゆるみはじめたのは


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「文化展」に参加して

九条の会に相応しい催し

岡田尋子(元住吉在住)

 生きてゆく、生きる為に更に力をいただいたこと感謝の日でした。一つ一つの作品の質の良さの中に温かく包まれてゆく、その構成の見事なこと。ちょっと狭かったのが残念。空間があったら作品が一段と冴えたことでしょう。

 特に入り口正面の子どもと戦争の絵のインパクトの強さ、となりの「白馬」のとけ込んでゆく色彩に幼かったあの日の衝撃(空襲)体験と重なり、熱い思いで離れられなかった。そして朗読も会に花を添え、生きることの大切さを教えてくれました。構成詩「生きるとは」と詩「あおだいしょう」の朗読、人間の尊厳をつきつけられた思いです。

 九条の会になんとふさわしい催しだったことでしょう。

 文化って、身近なところでいっぱいの幸せをみんなで共有出来る。これこそは平和なこと。楽しく豊かなワクワクする気分で帰ってきました。また企画して欲しいです。ありがとうございました。


聴く人の顔に涙が…

 詩の朗読会が終わって感想会でのこと。アルコールも少し入って話しが弾んでいたとき、朗読をした青井耿子さんが言った。「朗読が終わって後ろを振り向いたとき、私の顔を見てと自分の頬を指さしている人がいる。見ると目から涙がこぼれている。感動したんですよといってくれたのだと思う。それを見て、私もじんときました」と。

 詩の朗読会を聞いたのも初めてだったが、こんな会を催すことが出来て、こんな話が聞けて、準備してきて良かったとしみじみ思ったことだった。(K)


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あれこれ(13)

止まった時間

増岡敏和(詩人)

 私はこれまで三編のカンタータ(交声曲)の詩を書いたことを紹介したが、どの作品も子どもの死を嘆く母親の姿をテーマとしている。そこに悲しみの極としての「止まった時間」があると思っているからである。

 「東京大空襲」も「沖縄戦」も「原爆」も、ともに死んだ女の子を抱いて、母親の童女のように慟哭する姿を、「責めを負うて世界も声がない」とうたう。だから「原爆で殺された玲子」も、散乱する死体を跨いで探しまわる母親はいっかな見つけることが出来ず、「焦げつく空を虚しく仰ぎながら/ついに心を白くして死んでゆく」のである。

 そういう人間の死こそ最も許せない悲惨であろうという思いが私には強いのである。妹玲子の詩を書く時にはいつでも「ミズヲクダサイと/天から釣瓶が下りてくる」思いが騒立つのである。


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鈴木彰の「かしこくも勝てぬ解散したくない」



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「九条の会」第3回全国交流集会を前にして

鴨川孝司(代表代行)

 昨年の第2回全国交流集会は11月24日。9月12日に安倍首相が辞任して直後のことでした。次々と繰り出してくる改憲策動と必死で闘って、その一つの表れが安倍首相の政権投げだしでしたから、今後の情勢にどう立ち向かうかが参加者の関心事でした。私たちの会が作ったパンフレット「憲法をめぐるせめぎ合いその今とこれから」の発行日が11月5日ですから、情勢とかみ合った活動をしていたと思います。

 その交流集会で発表された「9条の会」の数は全国で6801でした。今は7000を超える会が活動しているのですから、その影響力はますます広がっている筈です。総選挙も間近に控え、九条を守り生かしていきたいという国民の意思をどのように表すのか、今度の全国交流集会が大きな意味を持っていると思います。

 昨年の交流集会の全体会議では、公園で5000人から署名を集めた経験や大学生の9条の会結成の動きが報告され、福祉で働く人たちによって「9条25条の会」が作られ9条と25条を結びつけた活動への展望やキリスト者9条の会が作られているなど運動の広がりを実感しました。

 今年はどんな展望が開かれるのでしょうか。この10月、教育基本法『改正』による保守化と硬直化が進行しているいま、憲法をよりどころにして、子どもたちの未来と日本社会の未来のために、少しでも教育をより良いものにしようと願って、池辺晋一郎、香山リカ、佐藤学、暉峻淑子、藤田英典、槇枝元文、山田洋次ら13氏のよびかけによる「教育子育て九条の会」が発足したと報じられています。

 今年の全国交流集会の特徴は、昨年初めて設置された「青年」の分科会に加え、「職場」の分科会も設けられることになったほか、海外派兵と武力行使恒久法制定への動きが強まっていることを踏まえ、午前の全体会議で、谷山博史日本国際ボランティアセンター代表理事から特別報告を受けることになったことです。

 分科会のテーマは「より広範な人々と結びつきつつ、さらに草の根に九条の会をどう広げるか」ということで、運動への新たな発展がつかめそうです。


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「知る権利」を侵害する21世紀臨調の危険な策動

不公平な選挙報道は民主主義の危機

元朝日新聞大阪本社編集局長・長谷川千秋氏がネットで指摘

 財界人やマスコミ幹部などでつくる「新しい日本をつくる国民会議」(21世紀臨調)が9月25日、「自民か民主か」の政権選択を総選挙でもキャンペーンすべきだとする緊急提言を発表している。

 同提言について、元朝日新聞大阪本社編集局長の長谷川千秋氏が「不公平な選挙報道を促すきわめて危険な内容が盛られている」と「非核の政府を求める京都の会」のホームページのコラムで指摘している。

 長谷川氏が問題とするのは、「自民・公明党の連立与党と民主党が首相候補同士による論戦を繰り広げ、総選挙を名実ともに『首相候補』、『政権公約』、『政権枠組み』を一体的に選択する『政権選択選挙』とする責務があるとし、連立与党と民主党はそのための努力を精力的に行うべきであり、21世紀臨調としても首相候補同士による対決型の党首討論を主催する意思を表明し、双方に申し入れるものである」という部分である。

 長谷川氏はこれに対し、「有権者の一人として反対する」と述べたうえで、二人の党首だけの討論がマスコミに仰々しく取り上げられ、不公平な選挙報道になって私たち国民の「知る権利」を侵害するからである。党首討論を行うなら、最低限、総選挙をたたかうすべての与野党党首の参加と発言が保障されなくてはならない」と語っている。

 また、前回の国政選挙でも21世紀臨調は同じことをやったと述べて、「07年夏の参院選公示直前、21世紀臨調は政権公約(マニフェスト)検証大会なるものを主催し、マスコミを動員した。この大会の第2部として行われた自民・民主2党だけの党首討論が、NHKの夜の総合テレビで1時間半も録画放映された。放送法の政治的公平性の原則から逸脱は明らかだった。新聞では多くの全国紙が2党の党首討論会報道や、自民、公明、民主3党だけの「政策公約検証・採点結果」というものまで特集紙面扱いにして大々的に報じた。そこでは、経済同友会、連合、日本青年会議所、PHP総合研究所など民間シンクタンクを含む9団体が評価をまとめていたが、紙面をいくら読んでも主権者として1票を投ずる参考にはならない。自民、公明、民主だけが特別扱いされ、日本共産党、社民党などのその他の政党は排除されているからだ」と指摘している。

 そのうえで、「選挙は、私たちが主権者として日本の政治の現状と未来に対する意思を直接表明する重要な機会である。何よりもまず主権者に、政治諸勢力の主張、政策等の判断材料が公平な形で提供されなくてはならない。21世紀臨調が『2大政党』を主張するのは自由だが、少数野党を切り捨てた党首討論を推進しておいて『何が民主主義か』と言いたい」と語っている。

 報道機関に対しては、日本新聞協会の新聞倫理綱領に書かれているように、「国民の『知る権利』は民主主義社会を支える普遍の原理である、前回参院選のときのように21世紀臨調のキャンペーンのお先棒担ぎはやめてもらいたい」とクギを刺している。

マスコミからは64人も

 さらに、長谷川氏は21世紀臨調とマスコミとの癒着を批判している。同団体の現在のメンバーは共同代表の佐々木毅・前東大学長ら4氏、顧問会議議長の御手洗富士夫・経団連会長を筆頭に経済界、労働界、学識者、自治体関係者、報道関係者など各界の有志210数名だが、マスコミからは64人にものぼると指摘している。

 「朝日新聞、共同通信各10人、読売新聞、毎日新聞、産経新聞各8人をはじめ全国紙、主要在京テレビの大半が顔を揃え、社長、会長、主筆、論説委員長、政治部長、著名なコラムニストら報道や評論に大きな影響力を持つ人が目立ち、21世紀臨調に参加している学者らが何かに付け紙面に登場するようになっている」と言い、「少数意見排除の横行は『大政翼賛会』への道である」と強く警告している。

 小泉劇場型選挙を演出した大マスコミが、今度は21世紀臨調のお先棒を担ぎ、2大政党選挙論を押し出し、当たり前のことを言う少数派を強引に排除して、21世紀臨調の動きを進めている。

 「知る権利」は民主主義の根幹に関わる最も大事な権利である。権力の暴走への監視、いま起きていることをすぐに伝えることがジャーナリズムであるとすれば、ジャーナリストが財界にすり寄ったり、政治工作に荷担するのは論外の行為である。(K)


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いま私は言いたい

最近の世相に思う

畑中 繁(牛沼在住)

 近頃、愚痴が多くなったと女房殿は言う。何故なのか、自分なりに考えてみた。それはいろいろと大変な世の中になったのが原因と思う。その源をいくつかひろってみた。

 その一 後期高齢者医療制度だ。私も来年はこの仲間に入る。制度発足当時、政府・与党は「絶対間違いない。良い制度だ」と大見得を切った。ところが自民党の長老の塩川さんや堀内さんが「この制度はおかしい」と言っている。舛添厚労相はようやく不具合を認め、しぶしぶ小手先の見直しをするという。厚労省は年金問題、労働者を使い捨てにする派遣法の問題と大変だ。舛添さんはたけしのTVタックルに出演していたときより人相が悪くなったように見える。

 その二 消費税増税の問題だ。自公与党は選挙が近くなると増税は不可避なのだが触れないのが常套手段だ。民主党も現時点では不要と言っているが真意は判らない。増税しなくても、大企業の法人税を上げたり、米軍の思いやり予算や米軍再編による硫黄島移転費や防衛費の削減等で十分賄えると思えるが。

 その三 物価がどんどん上がっている。そこヘアメリカの金融危機の波が押し寄せ、株価の大幅な安値となった。少ない年金から差し引かれる額が多くなった。公明党のビラは「お年寄りのために物価の上昇分を年金に上乗せする」という。それと「定額減税もする」という。このようにおいしい話しが出てくるのも選挙が近くなったからと思わざるをえない。

 その四 アメリカが北朝鮮に対する「テロ支援国家指定」を解除した。拉致家族の不安は増すばかりであろう。日本政府の対応を見守りたい。

 その五 自衛隊によるインド洋での給油活動の新テロ特措法案を民主党は容認するという。アフガニスタンのタリバンは軍事力では抑えることは出来ないと解り、アフガニスタン政府でもタリバンと文書での交渉を始めているとの報道があった。何故容認なのか。党略もあろうが許せない。

 その六 所沢市であるが、5月の自治体キャラバンで後期高齢者医療制度と国保税への引き上げ等の回答は納得がいかないと再度説明を求め、市はしぶしぶ7月31日に説明会を開いた。だが当麻市長は2回とも出席せず、この問題から逃げ回っているとしか思えなかった。「あつたか市政」とか「市民との双方向の市政運営」などと謳っているがどうしたのだろうか。

 明るいニュースがあった。ノーベル賞受賞である。物理学賞に南部陽一郎さん、小林誠さん、益川俊英さん。化学賞には下村脩さんの4人で喜ばしい唯一のニュースである。


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短信

■長編音楽ドキュメンタリー映画「荒木栄の歌が聞こえる」上映会
日 時:11月2日(日)1時30分開場、2時上映開始
会 場:所沢生涯学習センターホール(新所沢駅下車西口より徒歩5分)
参加費:1000円
内 容:95分の上映後、みんなで歌おう荒木栄の歌を ピアノ伴奏 松樹偕子さん、午後4時30分終了の予定
主 催:全日本年金者組合所沢支部

■うたごえ運動60周年記念
2008年日本のうたごえ祭典in東京 “夢と平和”かがやけ九条!

○お江戸のにぎわいコンサート
  日 時:11月22日(土)17時開演
会 場:パルテノン多摩
  参加費:指定席3000円、一般2500円、小・中・高校生・障がい者1500円

○60周年記念音楽会
日 時:11月23日(日)17時30公開演
会 場:日比谷公会堂
参加費:A席指定 6000円 B席指定 5000円、 自由席 3000円。

○大音楽会〈希求一ねがい一>
日 時:11月24日(月・休)13時開演
会 場:有明コロシアム
主 催:「60周年記念2008年日本のうたごえ祭典in東京」実行委員会
    〒169-0072新宿区大久保2-16-36 電話03-3200-4977



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