機関紙40号 (2008年12月1日発行)new!
鴨川孝司(「マスコミ・文化 九条の会 所沢」代表代行)
「九条の会」全国交流集会会場の神田神保町にある教育会館に近づくと右翼の街宣車が何台も騒音をまき散らしていました。昨年はなかったことです。会場に入ると一杯の人で「どんな新しい経験が作られているか」と期待が高まりました。
小森事務局長が「2008年、情勢は大きく動いた。読売新聞の世論調査に見られるように、九条を守るのが4年で逆転し多数派に。名古屋の違憲判決と。九条の会の活動はこの1年間で493増え、現在7294となった。明文改憲、解釈改憲をストップしていこう」と挨拶しました。
呼びかけ人の大江、奥平、澤地、鶴見の4氏が元気な姿を見せ、それぞれ10分で所信を語りました。未来に向けてそして田母神問題など九条を守る意義を多面的に含蓄ある話しをされたのですが、短い記事ではかけないので「九条の会」のホームページに譲ります。
次に、日本国際ボランティアセンターの谷山博史代表理事からアフガニスタン情勢等について特別報告を受けました。「アフガンではアメリカ軍による報復戦争に多くの一般人が巻き込まれ、国際社会に対する不信が生まれた。非暴力による問題の解決・対話こそ大事。日本は自衛隊ではなく対立している双方に仲介のとれる大事な役割がある。それを可能にするのは九条によってである」と日本の役割を強調されました。
続いて5つの「九条の会」が全体会議で報告をしました。新しく生まれたばかりの北海道グリーン九条の会は社長が参加する広がった分野からのこれからのチャレンジ。教育子育ての九条の会を立ち上げたので、全国的に取り組んで欲しいとの提起。宮城九条市長の会は「九条を守ってこそ市民の安全安心の確保が出来る」と結成、全国の市長・知事にメッセージを送った。秋田でも18名による市長の会が出来、活動していると報告しました。
そして、分散会と分科会の討議となりました。わたしは第6分科会に参加、ユニークな活動を聴きました。元茅ヶ崎市議九条の会はすべての会派から19人が名を重ね、元市議だけに効果は大きい、城山三郎氏もメンバーだったが、今は娘さんが会員で活動している。また、米軍基地をなくす九条の会は3人で始まったが、それは砂川基地反対闘争の伊達判決に根拠をもつ。米軍基地をなくすのを見てから死にたいと熱っぽく語りました。
そのあとは全体集会。10の分散会と2つの分科会の3分報告がありました。九条って何かという人の多いこと、マンネリからの脱皮、広げていくことでの智恵、宗教者の参加、一人一人が主役なとたくさんの問題が出されました。そのあとで活動の目標を確認して集会は終わりました。
外に出ると雨でしたが、3回目の今回は同じような活動をしたものがわかる基盤が出来たせいか同感の笑い声や拍手が多くあり、活動が地に根付きだしていることが感じられ、明るい気持ちになり、何故か「芭蕉布」をハミングしていました。
浜林正夫(一橋大学名誉教授)
千鳥足のような動揺を続けている麻生内閣はとても憲法「改正」を言い出せる状況ではありません。自民党は民主党や公明党を巻き込んで改憲を図ろうとし、実はあまり知られていませんが、昨年の憲法記念日に新憲法制定促進委員会準備会という民主党議員をも含む組織名で、「新憲法大綱案」というものを発表しているのです。さらに今年に入って新憲法制定議員同盟をつくりました、しかしどちらもそれ以上には動き出していませません。
そこで明文改憲は当面無理と考えて、麻生首相は集団的自衛権についての政府解釈を変えようと言い出しましたが、自民党の中でもあまり支持はなく、一時話題になった恒久派兵法もいつの間にか立ち消えになりました。
つまり、政府は改憲にかんしてはまったく手詰まりという状況です。
民主党は現在は自民党を追い込んで解散総選挙に持ち込みたいという方針ですから、憲法問題で自民党と協力する可能性はありません。ただ小沢一郎氏は国連至上主義が持論ですから、国連決議があれば軍事的協力も拒否しないという姿勢で、もし民主党が政権をとれば国連協力という名目で自衛隊の海外出動も武力行使も認める可能性はあります。そうなれば実質的改憲という状況が生ずるかもしれません。
このように当面改憲が具体化することはなさそうですが、しかし油断はできません。最近問題になった田母神航空幕僚長の論文は、改憲へ向けての世論喚起を狙ったものと見るべきでしよう。
間島 弘(世話人)
この問題が報じられたとき、頭に浮かんだのは、12〜3年前に交わした、自衛隊に行った高校の同級生との会話だった。共通の知人が急死し、葬儀で30年ぶりに再会した時のことだった。私たちが卒業したのは、防衛大学草創の5期にあたり、彼は卒業後陸上自衛隊に行き、北海道方面軍の戦車部隊の責任者をしていると聞いていた。話をしてみると、2年前に自衛隊をやめ、警備会杜に勤めているとのことだった。「まだ、60歳前じゃないの」というと、彼は「大蔵省の事務次官を選ぶ方法を聞いているだろ(同時入省者20人くらいから一人に絞るため、残りは順次、外郭団体に出す)、「自衛隊も官僚組織だから、あれと同じだよ」と言った。
そうした厳しい経過を経て、航空白衛隊のトップに立つ人の発言が、あんなお粗末なものかという思いと、そういう「考え方の人間」を意図的に選抜したのだと納得するという複雑な思いだった。
この問題について三つの視点から考えた。
一、「憲法第九九条の関係について」
歴代自民党内閣の総理大臣がそうであるように、「政治の中枢」にいる人達の「日本国憲法」の軽視である。「憲法第九九条」は「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ」と規定している。しかるに小泉、安倍首相以来、「自民党新憲法草案」に狂奔するといったように、“戦前の侵略戦争”を反省し、「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こる事のないようにすることを決意する」とした「日本国憲法」をないがしろにしてきたことである。
こうした流れが田母神氏を増長させたことは疑いの無い事である。彼の論文「我が国が侵略国家だったというのは正に濡れ衣」が「日本国憲法」の根本理念を踏みにじるものであり、まちがいなく「言論によるクーデター」である。
二、自衛隊でなにがおきているのか
これだけ重大な憲法違反を犯した空幕僚長を防衛省は、懲戒手続きをとらず、定年退職として約6千万円の退職金の自主返納を求めるという処置をとった。
ここに自衛隊、防衛省の体質が表われている。
今年にはいってからも、イージス艦「愛宕」の漁船衝突事故、守屋事務次官の収賄事件、海上自衛隊の特殊警備隊員が他の部署に異動を希望した結果、“はなむけ”と称するリンチ「殺人」事件と「旧日本帝国軍隊」への回帰を思わせるひどい事件が続いている。さらにこの田母神事件の最中も航空白衛隊第一術科学校、校長のセクハラ事件を隠蔽するという事態も明らかになった。
こうした隠蔽・秘密主義よりも重大なのは、「侵略戦争肯定論」、「集団自衛権の行使」を主張するゆがんだ「歴史観」である。前述したとおり日本国憲法の制定過程からはこうした「歴史観」は、決して認められるものではない。
アパグループの代表は安倍晋三元首相の後援会の副会長でもある名うての「靖国」派である。田母神氏が侵略戦争を正当化する考えの持ち主であったことは自衛隊内では知られた事実であったとされる。その彼が航空幕僚長の任に付くのは、安倍内閣の時代であり、この内閣は主要閣僚が「靖国」派で占められていた。
今回の「論文」がたんに彼個人の問題であるだけでなく、安倍政権以来の歴代政権の政治責任も重大である。
三、この問題に対する麻生首相の態度
この田母神氏の論文に対して、政府は「政府の公式見解に反している」、「文民統制に反する」とは発言しているが、「日本国憲法」の基本理念に反するとは言及していない。
麻生首相は、初の所信表明演説で「御名御璽をいただき」と発言し、過去には、「日本は単一民族国家」、そして「(戦前の韓国統治下の)創氏改名は韓国の人びとが望んだからだ」と問題発言を繰り返えしてきた。
自民党議員・麻生太郎として所属している組織を見てみると、「日本会議国会議員懇談会」(特別顧間)、「神道政治連盟国会議員懇談会」「みんなで靖国神杜に参拝する国会議員の会」「憲法調査推進議員連盟」など、いずれも「超タカ派組織一日本国憲法否定派といえばいいのだろうか」ばかりである。
11日の参議院外交委員会で田母神氏の参考人質疑が終わったあとも麻生首相は「幕僚長という立場の発言としては不適切」と述べたが、田母神氏の歴史認識や言動の誤りについては、なんのコメントもしていない。
今回の問題は、自衛隊の危険な体質と自民党の「改憲勢力」の根深さをうかがわせた「重い事件」である。
「改憲」を虎視眈々と狙っているこうした事実に対し、「九条を守り、発展させる活動」のよりいっそうの強化が必要になっていることを感じた。(11月16日記)
岡本建哉(久米在住)
「我が国は蒋介石により日中戦争に引きずり込まれた被害者」「我が国は極めて穏当な植民地統治をした」「日本はルーズベルトの仕掛けた罠にはまり、真珠湾攻撃を決行した」「我が国は侵略国家だったというのはまさに濡れ衣である」---航空自衛隊のトップであり、防衛相に「助言」する立場にある航空幕僚長・田母神俊雄が、民間会杜の懸賞応募論文で書いた内容である。中国をはじめとするアジア諸国、アメリカからもすぐさま抗議と怒りの声が挙がり、朝日新聞社説が「こんなゆがんだ考え方の持ち主が、こともあろうに自衛隊の組織にいたとは。驚き、あきれ、そして心胆が寒くなるような事件である」と記したのも当然である。
この空幕長は過去にも、「東京裁判は誤りであった」「南京大虐殺があったと思いこまされている」などと侵略の事実を否定し、また航空自衛隊のイラクでの輸送活動を違憲だとした名古屋高裁の判決についても、「そんなの関係ねえ」と記者会見でちゃかして物議をかもしている。その言動には、日本を侵略戦争に引きずり込んだ旧日本軍の傲慢さと独善的横暴と重なり合うものがある。麻生首相は今回の論文を「不適切」と語ったが、その認識では全く不十分であり、それまでに既に明らかであった彼の暴挙を問題視せずに、空幕長に任命した政府の責任は極めて重大である。
先に辞任した元国土相・中山成彬の「日教組の解体を天命とする」という開き直り的発言や今回の空幕長の論文など、権力の中枢にいる者たちによる「憲法無視」が傍若無人に横行している。永きに亘った保守政権の生み出した「権力の著り」であろう。
「靖国」派や歴史教科書を攻撃する一派の史料や学問上の到達点を無視した狂信的で反知性的な歴史観には、侵略戦争への深い反省と痛恨の思いから築かれてきた戦後民主主義に対する憎悪ともいえる根深い偏見と、「戦前へ回帰する」という黒い野望が読み取れる。もはや、彼らに日本の将来を委ねるわけにはいかない。歴史、そして政治の舞台から、きっぱりと退場してもらおうではないか。近い選挙では、多くの護憲勢力を国会に送り、平和で豊かな日本を創るための第一歩を踏み出したいものだ。(11月6日記)
葛西建治(山口在住)
航空自衛隊のトップの田母神俊雄航空幕僚長が「わが国が侵略国家だったなどというのはまさに濡れ衣」などと政府見解に反する論文を民間の懸賞論文を発表したことが分かつてから、4日後の文化の日に航空自衛隊入間基地で開かれた「航空祭」に自衛隊の最新装備を見るために足を運んだ。
人で埋め尽くされた広い飛行場の南側から進入したC1輸送機から、習志野の空挺部隊が落下傘で降下すると、すかさず、地上では、グランドスピーカーから戦前の軍歌「空の神兵」が響き渡った。ここまできてしまったかと愕然とした。
中国大陸や東南アジアで戦争したことが、侵略ではないと言い切る歴史認識は独断や偏見ではなく、自衛隊では常識と言われているようだ。
6日付けの東京新聞で軍事ジャーナリストの神浦元彰氏は「自衛隊のエリートコース課程では右派論客が外部講師を務め、今回の論文はそのコピーにすぎない、ああいう青年将校のような説は自衛隊では常識」と語る。
裏付けるように11日付けの「赤旗」は、防衛大学校で必修科目の「防衛学概論」で使用される教科書『防衛学入門』が第二次世界大戦について「自衛を基本とし権益の増大とその衝突」と記述され、日本の過去の戦争の全てを日清、日露戦争と当時の呼称のまま表記し、『自衛が基本』であったとの戦争観で書かれていることを報じている。
こうした世間常識との乖離を放置する土壌をつくってきた政治の責任は重大なものがある。田母神氏は「自衛官にも言論の自由」を口にするが、まさに噴飯ものである。戦前の軍部の独走が中国、朝鮮、東南アジアで2千万人もの罪なき人を犠牲にしたうえで、終戦後、日本は平和国家として歩み進めた。政府の命令で軍事力を行使できる自衛隊という組織のトップが制約を受けるのは当然ではないのか。
言論の自由をはき違え、いまなお「侵略は濡れ衣」と言う自衛隊最高幹部の神経を疑い、同時に退職金を払い幕引きを急いだ政府の姿勢は許せない。
自衛隊の最高責任者の麻生首相は「地方分権」を理解できず、定額給付金所得制限を市町村に丸投げして混乱を引き起こしているほか、思いつき発言と暴言の連続で国会は混迷を深めている。この国に暮らしていることがだんだん情けなくなる。
麻生首相が国会で、戦争責任に関する過去の政府談話を「ふしゅう」する、という答弁を重ねているが、参院事務局は「受け継ぐ」という意味の「.踏襲(とうしゅう)」のことだと判断して議事録に載せているという。10月15日の参院予算委員会でも、93年の河野官房長官談話をやっぱり「ふしゅう」と答えたという。
どうやら、麻生首相は「踏襲」を読めないようです。この他にも株の前場を「まえば」、頻繁を「はんざつ」と読み、「オバマは英語がうまい」と言ったとか。学生が誤読することを「アソウる」と言ったとか。(朝日新聞ほか)
増岡敏和(詩人)
これは沖縄の言葉で「光がなくなることはない」ということである。この題でかつて、私はカンタータの詩を書いたことがある。作曲は井上正志氏で、私はこのために3回も沖縄に渡った。この詩は8節あるが、ここでは序章の後半を紹介しておきたい。
「9条の会ところざわ」では、10月18日(土)新所沢公民館を会場に、北川泰弘JCBL代表を所沢にお招きし、「クラスター爆弾禁止条約」に関する講演会を開きました。
今年5月、クラスター爆弾の禁止条約(日本も参加、米露中は不参加)が成立し、12月3日にオスロで署名式が行われます。地雷廃止(1997年禁止条約成立)から、クラスター爆弾廃止へと、市民の力が、はじめて世界を動かした取り組みとして注目されます。この条約を成立させる取り組みとなったのが地雷廃絶国際キャンペーン(ICBL)で、日本では地雷廃絶日本キャンぺーン(ICBL)です。北川さんはその代表として、日本での運動を推進してきました。
クラスター爆弾は、対人地雷と同様に戦闘行為が終わってから死傷者を出し、本人だけではなく、家族や地域にまでダメージを与える非人道的な兵器で、世界70kヵ国に数10億個はあるのではないかと推測されています。カンボジアでは、地雷やクラスター爆弾、その他の不発弾による死傷者が63,175人(ICBL調査)もいます。
北川泰弘さんは、生々しい被害の映像、パネル、爆弾の模型を使いながら、禁止条約の意義を語りました。(門目)
梅田正己(高文研)
周知のように、憲法9条の第2項には「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない」と宣言されています。ところが現実には、陸海空自衛隊が存在します。
憲法と現実とのこの根本的な矛盾は、誰の目にも明らかでありながら、半世紀以上も放置されてきました。
憲法に忠実であろうとする人々は、憲法違反の自衛隊はただちに解体すべきだと主張します。
しかし、国会で審議され制定された法律(自衛隊法・防衛省設置法)にもとづいて存在するこの巨大な組織を短時日で解体できるなどとは、とうてい考えられません。高名な憲法学者である小林直樹・東大名誉教授も、かなり前(1982年)に出版された「憲法第九条」(岩波新書)でこう述べています(216頁)。「とくに自衛隊の改編は、かりに将来その可能性が出てきたときにも、段階を踏んで徐々に行うべきであって、拙速による混乱や摩擦を生じないよう、慎重な配慮を必要とする」考えてみれば、当たり前のことです。自衛隊を廃止するということは、自衛官25万人の首を切るとことにほかならないからです。
自衛隊の軍縮・改編にとりくむためには、まず日本の安全保障についての基本的な考え方を確立し、それにもとづいて改革後のあり方を提示し、あわせてそれを達成してゆくための道すじを示すことが必要です。
しかし、これまでの護憲運動は、ただ「9条を守れ」と叫ぶだけで、自衛隊の軍縮・改編のプログラムを提示することはありませんでした。その間、自衛隊は着々と増強され、いまやF15戦闘機やイージス艦、ミサイルSM3など米軍と同じ最新鋭兵器を装備する世界有数の「戦力」となり、戦時下のインド洋やイラクにまで出動するようになりました。
しかし、そのチャンスを生かして具体的な軍縮の方針とプログラムを提示し、それを国民世論化できなかったために、湾岸戦争(91年)を機に米国のアジア・太平洋戦略の中心に組み込まれてしまったのでした。
しかし今、世界は大きく変わろうとしています。米国は、自らつくりだしたアフガン、イラクの泥沼にはまって身動きできなくなった上に、大恐慌以来という経済危機に見舞われ、その覇権主義は激しく揺らいでいます。折から政権交代期も迎えました。
日本もまた、半世紀以上も続いてきた自民党政治がまぎれもなく末期症状を呈しています。
このように考え作成されたのが、この「平和基本法案要綱」です。9条擁護の運動がひろがるなか、9条の理念を政策化し、現実化してゆくために、本書が国民的議論のたたき台となることを願っています。
谷口昭嘉(牛沼在住)
「人は生きている。そして生きて行かなければならない。生きていることが凡てのものの根本である以上、そのための衣食住は何を措いても第一義的な事てなければならない。従って、この事を考えずして宗教も、芸術も、哲学もあり得ないのである。」(小林多喜二、23年・評論)
空気なくては、5分も生きてはいない、水なくしては、10日も生きてはおれない、「食」無くて、30日も生きることは無理だろう。
原始時代、人は水と食を探し求めて歩き続けた、所謂採取狩猟漁撈時代である。知恵ある人は、自然に学び、一粒の種が千粒になることを知り、二頭のつがいは慈しめば十頭になることを知った。農耕牧畜放牧の幕開けである。食の不安はうすくなり、飢饉に備えて蓄える事も出来た。老若男女、それぞれに合わせて怠けることなく働いた、幸福は目の前まで来ていた。
ところが、悲しみも不安もある、原始宗教の誕生である。そういうなかで、恐ろしい事が起こった。欲望のためには、強盗殺人もいとわないない者が生まれてきたのである。王である。ここから、人類は先史時代に入る。富の種をまく人々は、再び、食を住まいを着るものを探し求めて歩き回らなければならなくなった。奴隷・封建・資本と時代は移り変わっても、支配者は、豊穣の富を独り占めにする、しかも、必ず暴力と戦争を伴ってである。「人は生きている。そして生きて行かなければならない」だのに、彼らの底なしの欲望のためだけで、人生半ばに餓死し殺され、無念のうちに死んだ人々は数知れずである。
「日本国憲法九条」が生まれました。戦力は保持しません、戦争は放棄します。日本国は世界に宣言しました。人類吏のなかで、今「九条」は新しい本史時代の必須条件を示して、生き生きと輝いています。この輝きを働く人びとのなかへ、そして世界へ、真摯に広げて行こうではありませんか。
取り組みを始めて半年余、この間皆様のご協力で、約5000冊の本が寄せられました。ご協力いただいた皆様には感謝申し上げます。
集まった本の中国への輸送手続は「日本科学協会」がリスト化して、順次中国へ送っております。
私たち「送る会」の回収活動は来年2月まで行う予定で、第3回目の〆切りを12月20日にしております。
ご協力いただける方は、不用になった本をこの機会にご提供下さるようお願いいたします。勝手ながら、コミック本、風俗小説本、月刊誌、週刊誌、コンピュータ関連本、一部宗教本は回収対象外とさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
「会」の活動強化のためのカンパの訴えに、11月30日現在、65名の方から14万2900円が寄せられました。この貴重なカンパを活用して、10月に市庁舎で開いた「文化展」は、延べ400名にご覧いただくことができました。今後も「連続講座」、「基地ウオッチング」などの会員の学習会や交流会のために、皆様から頂戴したカンパを大切に使わせて頂きます。ありがとうございました。
台風の接近で中止になった「身近な基地ウオッチング」はあらためて3月14日(土)に実施する方向で検討しています。詳細は次号で報じます。
世話人会
■笑いが一番! 憲法九条はみんなの宝! 平和演芸のつどい
手品あり、漫談あり、そして楽しい落語があります。笑いの中に市民の輪ができます。笑いの中に平和な気持ちがうまれます。
日 時:12月6日(土)13:30開場、14:00開会